83、逆転
アリョーシャが神聖な神の水を水差しの蓋を開けて、ばらまいたのだった。
十二時の時計がなった時、ある現象が始まった。アリョーシャのばらまいた水が水差しに戻り、きれいに一滴もこぼれることなく、集まったのだった。
アリョーシャのばらまいた水は、すべて水差しの中に戻っていた。イワンが能力を発動していたのだった。アリョーシャはそれを見て笑っていた。だが、イワンはそんなアリョーシャを見逃すことが出来ず、イワンはアリョーシャを剣で斬り殺した。アリョーシャは剣をかわすことができなかった。胸を大きく斬られ、自分の体から血が大量に流れ出るのを驚きの顔で見ていた。すべては一瞬の間に起こった。
その場にいた全員が、驚きの表情を見せていた。イワンがアリョーシャを殺した。許すことはできない。みんながイワンの敵にまわった。カテリーナがイワンを剣で斬ろうとする。だが、イワンはカテリーナの剣をかわし、カテリーナを斬り殺していった。
「勝つのはおれだ。誰にも負けやしねえ」
カテリーナが肩から袈裟懸けに斬られて、倒れ落ち、床に転がった。
「どういうことだ、これは。何が起こったんだ」
ドミトリーが驚きの声をあげる。ドミトリーは今起こったできごとについてこれない。なぜ、アリョーシャは神聖な神の水をばらまいたのか。そして、なぜ、その水が水差しに戻ったのか。なぜ、イワンがアリョーシャを殺したのか。
なぜ、カテリーナまで殺されなければならなかったのか。
イワンは、素早く、ドミトリーとの間合いをつめる。ドミトリーは驚いて、イワンに語りかける。
「何をする。なんで、こんなことを」
しかし、イワンはそのことばを無視して、ドミトリーを頭から斬り殺す。
ドミトリーの頭から血が噴き出し、ドミトリーも後ろに倒れる。
「神の干渉を止めるためだ。この世界を人類の手だけで動かすためだ。つまりはおれの手で」
イワンが言い捨てる。
ヒョードルがそれを聞いて、大声でわめいた。
「これはイワンの能力だ。十二時の鐘が鳴ると同時に、時間が逆行して流れ出したんだ」
イワンはヒョードルも斬り殺す。
「そういうことだ。気づいても遅い。勝つのはおれだ」
イワンがいった。
しかし、リーゼがイワンにナイフを突き立てて、いった。
「ちがうのよ。勝ったのはアリョーシャよ」
イワンは胸を刺されて、倒れかける。倒れながら、イワンは最後のことばをいった。
「おれを殺しても無駄だ。おれを殺せば、能力が解ける。すると、おれは生き返るんだ」
イワンは倒れて死んだ。
「あなた、何もわかってないのね」
リーゼがいった。
どきゅーん。イワンの能力が解ける。時間の逆行が終わる。
逆行していた時間が復元し、また、もとのように再生し始める。
イワンが床から跳ね起きた。リーゼのナイフがイワンから抜け、イワンの傷が治る。イワンが生き返った。イワンのいった通りだ。
しかし、時間の再生は止まらない。ヒョードルが床から跳ね起き、生き返る。
ドミトリーが床から跳ね起き、生き返る。カテリーナが床から跳ね起き、生き返る。そして、アリョーシャが驚いた顔をして床から跳ね起き生き返る。
イワンの剣がアリョーシャから抜け、アリョーシャが笑っていた。
神聖な神の水が水差しから、ばらまかれ、辺り一面に浴びせかけられる。
逆行していた時間が完全にもとに戻った。
結局、神聖な神の水はばらまかれ、神の干渉がこの世界に起こった。神の慈愛がこの世界を包みこんだ。
「しまった。おれの能力は二度は使えねえ」
イワンがいった。
「こうなることは最初からわかっていたんだよ」
アリョーシャがいった。




