表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/131

76、ウィキペディアン

 2090年、インターネットフリー百科事典「ウィキペディア」は人類の知識の99%を網羅するに至っていた。大学入試にパソコンの持ち込みが可能となり、誰もがパソコンを持ち込んで、試験問題を解いていた。

 そこに、一人の貧乏な受験生がパソコンを持たずに試験を受けに来た。

 それを見た他の受験生たちは、その受験生を好奇の目で見て、嘲笑気味に噂した。

「あいつ、ひょっとして、ウィキペディアを見ないで受験するつもりなのか」

 噂は飛ぶように広がっていった。ウィキペディアを見ないで受験するなんて、落ちるに決まっている。ウィキペディアには、人類の発見した試験問題の99%がのっており、解答はウィキペディアを見るだけでわかるようになっているのだ。

 試験が始まると、みんなはいっせいにパソコンで問題を検索し始めた。

 問題も解答もウィキペディアにのっている。これは時間内にウィキペディアを

 検索できるかという、検索能力を問う試験なのだ。

 パソコンを持っていない貧乏受験生は、うんうんと試験問題を前に頭をひねっていた。

 それに気づいたものは思わず笑った。あんなやつ、百年前の受験生だ。

 時代遅れもいいところだ。

 そして、試験が終わり、合格発表がなされた。一位で合格したのは、なんと、あのパソコンを持っていなかった貧乏受験生だった。彼は、試験問題の中に一問だけ用意されている、ウィキペディアにのっていない問題を解いたのだった。

 ウィキペディアの残り1%を埋めるのは、きみのような学生だ」

 教授たちは、貧乏受験生を大絶賛して迎え入れた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ