55/131
55、誅戮する
果たして、誅戮することが善となることがあるだろうか。
誰が正義で誰が悪だろうか。
うつせみの世は夢にすぎず、死とあらがいうるものはなし (ヴィヨンの遺言より)
この世界が夢幻だとしたら、遊んだもの勝ち。
それでも、この世界が真実の現実だと信じて、邪魔なものを一掃していく。
本当に悪いやつは誰だ。
罪を憎んで人を憎まず。ならば、誰一人殺すことなく、平和な世界がつくられる。
だが、平和なだけでは楽園ではないんだ。余暇をすごす娯楽がなければ、生き地獄なんだ。おれは創作活動と漫画と小説の読書で時間をつぶすが、あと、将棋と麻雀を少々。それだから、平和が実現する前から、余暇をすごすための不殺の娯楽をつくる必要があるんだ。これはとても難しいことだ。
おれにとって、想像できる今、最高の娯楽が、「誅戮する」ことだというのだから、笑ってしまう。悲しくなってしまう。正義の旗を立てて、悪人を蹴散らすのが娯楽だと思っているのだから、号泣してしまう。「誅戮する」超短編をひとつつくろう。
ゲババは自分の意見をいえないものを皆殺しにした。
これを未来史における誅戮と呼ぶ。




