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49、破れ草履
書道展に行ってみた。読める文字は日本語なのに関わらず、わずかだった。読めたのは五十あるうちの四つか五つ。その中に、破草履という書があった。上手だか、下手だか、覚えていないが、良い言葉を選んだものだ。
破れ草履。かつて、宮本武蔵が戦いの前に、草履の鼻緒が切れるかもしれないとまで危惧して、草履が破れないように万全の体制を整えて勝負に挑んだことばである。剣豪となるに、これくらいの心構えがなければ勝てない。運で負けたなど、いいわけにならないのだ。
思うに、この自民党の大敗でも、負けたものはいかなるいいわけもしてはいけない。しょせん、破れ草履である。天下を歩くに不足な心構えをしていたのだ。
余談だが、歴史上、理想郷が築かれた記録をおれは二つ知っている。秦の始皇帝とムハンマドのイスラムだ。しかし、それは現代では地獄だとされている。なぜなら、トップダウンだからだ。理想郷はボトムアップでつくらなければならない。トップはただ、立っているだけでいいのだ。
始皇帝のつくった理想郷をくずした陳勝こそ、中華一の人物ではないか。燕雀いずくんぞ。王候将相いずくんぞ、種にあらんや。




