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43、唯我論の否定

 哲学に悩むものは思った。ただこの宇宙で真理と呼べるものは「我思うゆえに我あり」だけであり、それ以外の感覚も、自分の周りの世界もすべて実在するとは限らない幻想の世界ではないのかと。この宇宙に物質が存在しているという証拠がどこにある。そんなものは、感覚器がそう認知しているだけであって、それは嘘の情報かもしれないじゃないか。

 すると、へげぞはいった。

「おれは自分に意識があることを確かめた。少なくともおれには意識がある。そこでだ、おまえには意識があるか。おまえなら、おまえに意識があるかどうかを確かめることができるはずだ。もし、おまえに意識があるのなら、おまえが「我思うゆえに我あり」ならば、おれも「我思うゆえに我あり」であるため、この二つの意識をつなぐ物質の世界が存在すると想定した方が良いのではないかな。おれはおれに意識があることを教えた。おまえはおれにおまえに意識があるかどうかを教えてくれ。そうすれば、おれにもおまえに意識があることがわかる」

 哲学に悩むものは、確かに自分に意識があるのを感じとった。

 へげぞはいった。

「ついでにいっておくと、おまえが意識したものしか存在しないのだとしたら、おまえが気絶している時や眠っている時は世界は消えてなくなってしまっていることになる。毎日、意識が消えるように眠っているおまえが、意識しか世界の存在理由がないなどと考えるのは愚かなことだと思わないかね」

 そして、哲学に悩むものは、今度は世界の構造という新たな謎に悩まされた。


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