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38、正しい未来

 思想家がいた。彼は考えていた。正しい未来とは何かを。思想家は、伏して顔を上げず、ひれ伏したまま未来について語った。

「先進国を衰亡させましょう。石油を盛んに使い、発展途上国を発展させましょう」

 それを聞いた世界の指導者は唸った。

「先進国の衰亡など、とんでもない。世界大恐慌がやってくるぞ」

「かまいませぬ。歴史を眺めまするに、いまだ、かつての植民地支配のなごりが残っております。先進国はかつての植民地支配者ばかり。この忌まわしい歴史を終わらせるためには、先進国を衰亡させ、発展途上国を先進国以上に繁栄させるしかありません。一世紀か二世紀のうちに、国家の序列が様変わりいたしましょう」

「それで、我が国日本はどうするのだ」

「貧乏ながらも幸せな国づくりを目指すのがよろしいかと思います」

 これがへげぞの思想であり、未来予測である。


※これが三十一歳の時のおれの思想である。二十歳の頃からずっとこう思って生きていた。


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