17、命を交換する指輪
ホグスは棺桶を背負って旅をしていた。
ホグスは賞金のかかった賞金首だ。命を狙われていた。
「見つけたぞ、ホグス。お前の命もここまでだ」
賞金稼ぎはナイフを手に、ホグスに迫った。
「やれやれ」
ホグスは背中の棺桶を下ろし、棺桶の中の死体に手をあてた。
「お主では、わしには勝てんよ」
ホグスは自嘲気味にいった。
ホグスが指にはめているのは、命を交換する魔法の指輪だった。
ナイフでホグスを切り裂こうとする賞金稼ぎ。
しかし、棺桶の死体と賞金稼ぎの命が交換される。
どきゅーん。
棺桶の死体の命が蘇り、賞金稼ぎが息絶えて死んだ。
「やれやれ、この者に罪はあるまい。また、死ぬべき命を探して旅をせねばならんな」
ホグスはそういって、棺桶に賞金稼ぎの死体をいれ、背負って歩き出した。
蘇った男は呆然としていた。
それを見ていた殺し屋がいた。
にたりと、殺し屋は笑った。
そういう仕掛けか。
殺し屋は、ホグスの棺桶を奪った。
「あんたの能力はわかっている。死体と生者の命を交換する能力だ。すなわち、交換するべき死体がなければ、おれを殺すことはできない」
殺し屋は長釘でホグスの体を突き刺した。
「まだだ。まだ、お主でも、わしには勝てんよ」
ホグスはいった。
ホグスの命を交換する魔法の指輪が発動した。
殺し屋の長釘がホグスの心臓を貫き、ホグスは息絶えた。
一見、殺し屋が勝ったかに見えた。
しかし、すでに発動していた命を交換する能力が、少し遅れてから死んだホグスの命と殺し屋の命を交換する。
どきゅーん。
蘇るホグス。死ぬ殺し屋。
最後に生きて立っていたのはホグスの方だった。
「やれやれ、この者にも罪はあるまい。また、死ぬべき命を探さねばならなくなったな」
そういって、ホグスは殺し屋の死体を新しく作らせた棺桶の中に入れた。




