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130/131

130、優しかった風と助けられた人

 はらりはらり、涙が流れる。

 終わっちゃったね、人生。

 こんな素敵な世界に生まれて、地球最強の人類に生まれて、

 不幸になるなんて、なんて弱いの。

 はらりはらり、風が吹く。

 そろそろ暖かくなってきた夏の風が。

 みんな、あなたが邪魔だって。

 それがみんなの本音だもの。

 あなたがどんなに近寄ったって、あなたは心を閉ざした嘘つきの顔。

 あなたの声じゃ、夏の風は騙せないもの。

 この世界が本当に正しく楽しく幸せな遊び場だと知らなかったあなたの負け。

 はらりはらり、涙が流れる。

 心の底から楽しめる素敵な世界だったのに。

 忘れたの、思い出を。

 本当に、世界すべてを救うために頑張れだって、

 この国に生まれた子供はみんな。

 だって、神様がいうんだよ。まだまだ頑張れって。

 ちゃんとチャンスは与えてやったって、いうんだよ。

 いつの時代でも同じ。苦しいことはあった。

 夏の風が騙せないようでは、あなたはただの醜いかかしさん。

 はらりはらり、夏の風が吹く。

 せめてひとこと声が届きますように。肌が触れますように。

 いずれ、みんな一粒の砂。あなたの手はとどかず、くずれおちるからきっと。

 救ってくれるのは、風の使者。

 風のうわさで聞いたわ、あなたがちょっとは頑張ったって。

 それだけで充分。神様にとどくから。

 さようなら。そして、ありがとう。消えろ、地球の塵よ。


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