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128、空間を侵食して繁殖する植物

 ゆらり、ゆらり。ひょこり、ひょこり。部屋のなかに木の芽が生えた。

 空には直径二メートルはある太い枝がくるくるまわって伸びていく。

 空間を浸食して繁殖する植物。

 宇宙のどこかに根を下ろし、空間をとびこえて枝をのばす奇怪な大木。

「この木の中を掘り進めば、どこにでも行ける。ついてこいよ」

 木のうろに住む小人が声をかけてきた。

 おれは誘われるままについていく。

 割れた鏡のように枝が茂る。モザイクのような葉っぱの群れ。

 この枝のなかで世界のあっちこっちがつながっている。

「どこかで花が咲いているらしいんだ。花が散ったら、実ができる。実の中には種がある。その種を探している」

 枝の中の迷路を抜けて、幹の中の市場にたどりつく。

 坂道の枝をのぼり、枝の上の庭園にやってくる。

 みんなで探している、空間を浸食して咲く花を。

 たどりついたら植えてみようと思う。

 おれの庭に、空間を浸食して繁殖する植物の種を。


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