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121、夢
十六歳で死ぬのが小学校の時の夢だった。
すでに坂本竜馬の歳を超えた。
織田信長は五〇歳まで生きた。
おれの生きている時代に世界が不幸せなのは、おれの知恵と良心が足りないからなのだ。
おれの生きている時代に世界が幸せでないなど、おれが無力なのだ。
名誉革命の時、何をしていた。フランス革命の時、何をしていた。アメリカ独立宣言の時に何をしていた。襲いかかる群集と引っ張り合っていたのもいい。己の真実を叫んでいたのでもいい。
産業革命に匹敵するといわれる情報革命の時代に生きて何をしていた。襲いかかる群集と引っ張り合っていたか。己の真実を叫んでいたか。
確かに、ここ二百年ずっと激動の時代だ。だが、その情報革命において何をしていたか。
おれは、発狂して、世界を幸せにするという無駄な努力をしていたのだ。家の中を歩きまわって、幻聴を聞きながら、ゲロを吐き、幻覚といわれるものと戦っていた。




