表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
112/131

112、最強の防御膜

 その男は、体に薄い膜を張っていた。この膜は最先端の防御膜で、重さ十トンの鉄塊が当たってもへこむことがなく、核爆発をうけても耐えることができた。

「くそう、あの男をどうやって倒したらいいんだ」

 敵は悩んだ。物理的な攻撃はおおよそ、効きそうになかった。

 その男は、二十四時間、防御膜を張っており、殺害する隙はまったく見当たらなかった。

 だが、ある時、敵は思った。

「もし、あの男が女の肌にも触れられないというなら、それほど羨ましくもない。攻撃は成功しているのではない」

 ところが、男は、自分の妻と防御膜をつけたまま、性交しているようだった。

 なぜ、男の男根は防御膜を突き抜け、女の粘膜と接触できるのか。

 敵は必死に考えた。

 その結果、男の防御膜は、人体だけを透過することが判明した。

「だからといって、どうしたらいいんだ。核兵器でも殺せない相手を殺せるわけがない」

 敵の嘆きに男が心配して声をかけた。

「おい、人体を透過する防御膜の攻撃の仕方をやってみろ。誰でも思いつくことだ」

「いやだ。わからない。勝てるわけがない」

「バカヤロウ。それは、素手で直接、殴ることだよ」

 男に敵は殴られた。

 敵は奮起し、男を殴ってみた。ぼこっ。だが、まるで手ごたえがない。やはり、防御膜に守られたようだ。

「なぜだ」

「それは、おれが殴られてもいいように、素早く衝突する物体は防御膜を透過できなくさせているからだ」

「勝てない。絶対に勝てないよ」

 男は笑った。ははははははははっ。女も笑っていた。

「おまえの筋力では不可能かもな。おれを殺す唯一の方法は、素手で人を絞め殺せる腕力のあるやつに、ゆっくりと首を絞めさせることだ」

 敵は愕然としていた。勝てる方法があったのに、今までずっと、暴れ放題にさせてしまったことを後悔して、涙した。

「ははははははっ、おまえとはもう二度と会うこともあるまい」

 男は消えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ