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110、最後の詩を埋める墓地
「きみはアンドロメダ星人だ。
だから、詩人の手紙は届かない。
墓守りは手紙を受けとると、詩人を打ち捨てて、手紙を埋めた。
ここに死すべき命が眠る。
ここは最後の詩を埋める墓地」
風音が恥ずかしげもなく、教室で自作の詩を朗読していた。ぼくは、それを楽しく聞き入っていた。他の数十人の観衆は、残念ながら、詩を解さない。というか、発表という行為を歓迎しない。だから、風音の詩を称える声は聞かれなかった。
それで、唯一、風音の詩を褒めたぼくと、風音は付き合うようになった。
二年間、付き合ったあと、風音はいった。
「わたしが好きなのは、あなたじゃないの」
この二年間は拷問だったわ。まるで、ぼくにはそう聞こえた。
そして、風音は首を吊って死んでしまった。
ぼくは、風音に教えられて知っていた最後の詩を埋める墓地に行き、故人の最後の詩を埋めた。
「わたしが好きなのは、あなたじゃないの」
そう、その詩には書いてあった。




