108、いないんだってば
「やあ、風音。今のぼくは宇宙人に操られているんだ」
ぼくはとても胸がつまり、もどかしくなり、心臓がどくんどくんとなっていた。
ぼくが宇宙人に操られているということは、ぼくの体を動かしているのは、どこか遠くにいる宇宙人だということで、ぼくの体はぼく自身の意思によって動いていないのだ。
「宇宙人がね、きみのことを気に入ってるらしいんだ」
「え? なに?」
「宇宙人がね、きみのことを気に入っているぼくを気に入っているらしいんだ」
「まあ」
ぼくは宇宙人に操られて、風音とちゅっちゅし合い、風音はそれを喜んで、ぼくらはお互いに全裸になった。
ぼくは宇宙人に操られているんだ。だから、宇宙人は風音と交尾するぼくの心を観察しているはずだった。ぼくはみずから望んで風音と交尾しているのか、それとも、宇宙人に操られて、交尾しているのか。胸が張り裂けそうだ。
ぼくは風音が何を考えているのか、とても気になった。風音はぼくを好きなのだろうか。それとも、風音も宇宙人に操られているのだろうか。
「風音、宇宙人がいなくなっても、ぼくと会ってくれるかい」
「それは、宇宙人によるんじゃないかな」
「風音はなぜ、ぼくと交尾をしたんだ。宇宙人の差し金かい?」
「それは教えるわけにはいかないの。わたしがわたしの意志で、宇宙人に操られているあなたと交尾をしたのだとバレたら、わたしは抵抗運動の過激派に蜂の巣にされちゃう。だから、教えるわけにはいかないの。わたし、夜景を見るのは好きよ」
「ぼくは、ぼくの心は宇宙人によって操られてる。もはや、自分で何を考えているのかもわからない。ぼくの意思は宇宙人の差し金で、ぼくは宇宙人に操られて、きみを犯しに来たんだ。こんな交尾は、都会的といえるかい」
裸の風音は少し考えたようだった。形のいいおっぱいが揺れる。
「わたし、思うの。いつになったら、宇宙人なんていないことにあなたが気づくのかなって」




