81話 海賊の服
私たちはゆっくりと動く船の中を走り回っていた。
「待て待てー」
「わーハッチに追いつかれる―」
ハッチは一応フェンリルだから散歩させないとプクプクと太る、なので船の中を走らせないといけない。
「走らせるのはいいんだけどさ、場所を考えてよ」
「なら甲板で走らせるのか?」
「……行ってみたら?」
私とハッチは甲板に出た、少しだけ肌寒いけど……大丈夫!!!
「まてまてー」
ハッチはフェンリルの姿に化け、一瞬で私の頭をしゃぶった。
「ねぇ、しゃぶるのは駄目じゃないの?」
「ごめーんね」
もう何されても驚かない自信がある。
「あそこの国にあいつが居るはずだ」
そう言う声が聞こえてきた。その時船がグラッと揺れた。
「……ハッチ?」
「私違うよ!?」
「揺れた原因は何だ……乱気流か?」
高度を少し下げると揺れはだいぶ収まった。
「……ここで船を泊めようか、マグネとルンダは知り合いに会いに行ってきて」
「アイアイサー!!」
「マグネ……どうして海賊の服装なのよ」
「形から入らないとね」
「そもそもそれ誰の衣装よ!?」
「ん?一花さんが私にって」
「一花さんって裁縫好きなのかな……」
私とマグネは知り合いの元に向かった、どうやらマグネはその知り合いの場所がわかるらしい。原理は分からないのだが。
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