71話 歌の力
出航するとなるとマリーさんとシモンがワイワイと話していた。
「どうして島の外に出たんだ?」
「やらないといけないことがあったからね、ケジメっていう奴かな」
「ケジメ……そうか、それでどいつをぶちのめすんだ?」
「悪霊っていう数千年前まで息をしてた種族、今になって復活したんだ」
「知らない種族だな、詳しく聞かせろ」
「太陽光に弱い種族、それ以外は本当に強い」
そして出航し、草原が広がる方向に船を向かわせた。
(しかし、草原が広がっているな……動物がいっぱい走っていてとても心が癒されるな)
ニアスはまだ船首で歌を歌っていた。
「ねぇ、その曲の題名って何なの?」
「私が思ってる曲を歌ってるだけ、これで冒険者をおびき寄せたりするの」
「それって魔法の類なのかな?」
「いや、吟遊詩人かな」
上空には鳥が隊列を組んで飛行していた、恐らくこれも歌の影響だと言う。
「歌って何か便利だね」
「便利とは裏腹、魔力をたくさん消費するから燃費はわるわる」
「そうなんだね」
「だからフルーツ味の魔力ポーションを飲む、飽きる」
「フルーツ味……こっちは度し難い味なんだよね」
「どんな味なの?」
私は懐から魔力ポーションを出し、ニアスに飲ませた。
「変わってる味だね」
「でしょ?」
「でも味変としては優秀」
「そうなの!?」
どうやらこっちの人たちは魔力ポーションをうまく飲めるようだ。
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