ep7 (独り)宝探し探検隊!
この物語は全てフィクションであり、実在する人物、事件とは一切関係ありません。
「あー……」
ベッドの上。
コーラ片手。
天井を見上げる。
「暇だな」
休日。
暇。
休日。
暇。
休日。
暇。
「……飽きたな」
休日に飽きた。
人類史上初である。
「うーん」
考える。
数秒後。
「そうだ」
立ち上がる。
「宝探ししよう!」
こうして世界は震撼した。
◇
最果ての砂漠。
人類未踏破領域。
古代文明の墓場。
神代の遺産が眠る場所。
そこへ。
神速移動。
到着。
「おおおおおお!!!」
主人公大興奮。
「ロマンがあるな!」
ピラミッド発見。
巨大。
壮観。
神秘的。
主人公。
「テンション上がるぅぅぅぅ!!!」
小学生。
完全に小学生。
「入るぞぉぉぉぉ!!!」
突撃。
◇
地下大迷宮。
古代の罠。
死の回廊。
侵入者を拒む魔導兵器。
主人公。
「おっ」
床のスイッチ。
踏む。
どがっ!!
天井から巨大岩石。
「へー」
本来即死。
主人公。
気付いてない。
頭に当たる。
岩砕ける。
終了。
「凝ってるなぁ」
違う。
殺しに来てる。
◇
最奥。
古代王の墓。
巨大扉。
数千年誰も開けられなかった。
主人公。
「おらっ」
開く。
数千年のロマン終了。
◇
そして。
そこにあった。
古代文明の秘宝。
浮遊核。
神代の心臓。
天空要塞制御装置。
伝説級超遺産。
主人公。
「なんだこれ」
ぽち。
押す。
◇
世界が揺れた。
王都。
勇者。
剣聖。
賢者。
聖女。
全員青ざめる。
「何だ!?」
「超巨大魔力反応!」
「場所は!?」
賢者絶叫。
「砂漠です!!」
勇者遠い目。
「彼だな」
全員うなずく。
もう慣れた。
◇
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……
砂漠が割れる。
大地が裂ける。
空が光る。
そして。
現れた。
飛行島。
古代文明最大の遺産。
空飛ぶ楽園。
神話の天空都市。
◇
主人公。
硬直。
「……」
「……」
「……」
涙目。
震える。
「うそだろ」
また震える。
「うそだろ」
三度震える。
「うそだろおぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
飛び乗る。
広い。
静か。
誰もいない。
森あり。
湖あり。
畑あり。
家あり。
温泉あり。
そして。
人がいない。
超重要。
主人公。
膝をつく。
「ここが……」
声が震える。
「ここが……」
さらに震える。
「天国かぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
絶叫。
◇
王都。
勇者達。
飛行島を見上げる。
「神話の天空都市だと……」
「伝説は本当だったのか」
「世界が変わるぞ」
「文明が進化する」
「歴史が動く」
全員興奮。
◇
その頃。
飛行島。
主人公。
ベッド設置。
コーラ保管庫設置。
肉冷蔵庫設置。
昼寝場所確保。
「完璧だ……」
感動。
「誰も来ない……」
感動。
「静か……」
感動。
「最高……」
感動。
◇
こうして。
世界中の英雄達が
「神代の遺産をどう活用するか」
を議論し。
王族達が
「外交問題になるぞ」
と慌て。
賢者達が
「文明革命だ!」
と叫ぶ中。
飛行島の発見者は。
ベッドの上でコーラを飲みながら。
「いやぁ……」
満面の笑みで呟いた。
「いい休日になったな」
世界の歴史を変えた男の感想が、
それだった。
お読み頂き、ありがとうございます。




