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最強おじさん異世界で休日を満喫する!〜なお、勇者は換金所である〜  作者: 涙目


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ep4 一狩り行こうぜ!

この物語は全てフィクションであり、実在する人物、事件とは一切関係ありません。

「……さて」


ベッドから起き上がる。


今日は珍しくやる気があった。


「たまには働くか」


天変地異である。


窓の外では鳥が飛んでいた。


だが俺は知らない。

この一言が世界の均衡を揺るがすことを。



「よっと」


窓から外へ出る。


なぜ玄関を使わないのか。


人に会う可能性があるからだ。


重要である。



数秒後。


俺は王都を囲む巨大結界の頂上に立っていた。


高さ数千メートル。


誰も来ない。


誰もいない。


景色最高。


空気うまい。


風も気持ちいい。


「ふっ」


満足げに頷く。


「ここなら誰にも見つからないな」


完璧だった。


隠蔽スキルを六重展開。


気配遮断。


存在感希薄化。


視線誘導阻害。


認識錯覚。


その他諸々。


盛りすぎである。


だが本当に重要なのはそこではない。



そもそも。


こんな場所に人がいると思わない。


一般人。

来れない。


騎士。

来れない。


冒険者。

来れない。


魔法使い。

来れるかもしれない。


でも来ない。


つまり。


最強の隠蔽。


”物理的距離”


「完璧だ」


満足。


そして。

待つ。


「そろそろ来るかな」


数分後。


空が割れた。


どごぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!


黒雲が渦を巻く。


雷鳴。

魔力嵐。

空間歪曲。


邪龍降臨。


古の時代より人類を脅かした存在。


一体で国家滅亡。

一体で文明崩壊。


伝説級災害指定個体。


主人公。


「来たな」


軽い。


ものすごく軽い。


邪龍が咆哮を上げる。


グォォォォォォォォォォォォォ!!


大気が震える。

山脈が揺れる。

海が荒れる。


「今夜の……」


立ち上がる。


「ばんめしぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」


邪龍。

死亡。


一秒。


いや。


〇・二秒。


討伐ですらない。


収穫である。


「いやっほぉぉぉぉぉぉ!!!」


ガッツポーズ。


「こいつめっちゃうまいんだよな!」


邪龍。


素材ではない。


メシ。


「特に聖魔法で浄化した後とか最高なんだよ!」


邪龍の尊厳がどんどん消えていく。


「ぷりっぷりなんだよな!」


うきうき。


「たぎってきたぁぁぁぁぁ!!!」


何がだ。


「ふぉぉぉぉぉおおおおお!!!!!」


叫ぶ。


なお。

誰も聞いていない。


王都。


「あれ?」


「今なんか光らなかった?」


「気のせいじゃないか?」


終了。


一般人には見えない。


遠すぎるから。



一方。

山脈。


修行僧。


硬直。


「……」


「……」


「……なんなんだあいつは」


震えていた。


邪龍が現れた。


死を覚悟した。


遺書の内容まで考えた。


それなのに。


ばんめし。


邪龍。


ばんめし。


修行僧の脳が処理を拒否していた。


「神なのか……?」


違う。


元ヒキニートである。


「俺は働いたぜぇぇぇぇぇ!!!!!」


本人ご機嫌。


邪龍片手。


「一狩りゲットぉぉぉぉぉぉ!!!!!」


完全に狩りゲームである。



そして帰宅。


夕食完成。


コーラ。


邪龍ステーキ。


最高。


「やっぱ働いた後の飯は違うな」


働いた。


本人はそう思っている。



翌日。

王城。


「邪龍が消えた!?」


「何故だ!?」


「誰が討伐した!?」


王が叫ぶ。


勇者は遠い目をした。


「たぶん彼ですね」


「どこにいたのだ?」


「結界の上です」


「そんなところに何しに行ったんだ?」


勇者は少し考えた。


そして答えた。


「たぶん……」


「たぶん?」


「散歩です」


王は頭を抱えた。



その頃。

本人。


ベッド。


コーラ。


昼寝。


「今日は休日だ」


邪龍討伐の翌日である。


世界最強だった。


そして。

圧倒的に平和な休日を送っていた。

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