ep13 最★終★形態(回)
この物語は全てフィクションであり、実在する人物、事件とは一切関係ありません。
「初心に帰ろう!」
帰らなくていい。
「俺は!」
拳を握る。
「世界一の!」
溜める。
「ヒキニートになる!!」
なってる。
既になってる。
王国公認。
勇者公認。
神公認。
満場一致である。
「そう、今まで俺は安住の地を探していた」
うん。
「それが!」
うん。
「間違っていた!」
違うと思う。
「作ればいいんだ!」
やめろ。
「自分で!」
やめなさい。
「自分自身の力で!」
本当にやめてください。
シュバッ!!
◇
飛行島。
主人公帰還。
「ラ○ュタ、着!!」
危ない。
色々危ない。
「よし」
腕組み。
真顔。
完全に何か始める顔だった。
「この島に多重結界」
世界。
嫌な予感。
「各種隠蔽魔法」
世界。
もっと嫌な予感。
「自動迎撃魔法」
世界。
終わった。
◇
王都。
賢者絶叫。
「大変です!!!」
勇者。
遠い目。
「ああ」
「彼ですね」
もう慣れた。
「飛行島全域に超広域結界!!」
「はい」
「自動迎撃術式!!」
「はい」
「隠蔽魔法!!」
「はい」
「転移阻害!!」
「はい」
「認識阻害!!」
「はい」
「神域干渉拒絶!!」
沈黙。
勇者。
「何作ってるんです?」
賢者。
震えながら答える。
「引きこもり要塞です」
◇
飛行島。
主人公。
「ふふふ」
笑う。
危険である。
「これで誰も入れまい」
神様でも入れない。
魔王でも入れない。
勇者でも入れない。
本人以外無理。
「完璧だ」
達成感。
そして。
ベッド設置。
コーラ保管庫増設。
肉冷蔵庫増設。
ゲーム部屋増築。
温泉掘削。
「よし」
満足。
◇
すると。
浮遊島付近の空間が揺れる。
主人公。
警戒。
誰だ。
何者だ。
侵入者か。
そして現れる。
時空神。
精霊王。
創造神。
全員集合。
神サミットである。
「頼む」
創造神が言った。
「その要塞を完成させないでくれ」
主人公。
「なんで?」
本気で分かっていない。
時空神。
頭を抱える。
「お前が引きこもったら終わるんだ」
「?」
「世界が危機になった時どうする」
「出ない」
即答。
神々。
絶望。
◇
勇者。
飛行島の外。
ため息。
「完成しましたか」
賢者。
青ざめる。
「しました」
勇者。
「もう入れませんか」
「無理です」
「神ですら?」
「無理です」
勇者。
空を見上げる。
そして静かに呟く。
「世界最強のおじさんが」
「ついに」
「自宅警備を極めてしまったか……」
◇
飛行島内部。
主人公。
ベッドへダイブ。
ぼよーん。
「ひゃっほぉぉぉぉぉ!!!」
誰にも聞こえない。
誰も来ない。
誰とも目が合わない。
理想郷完成。
そして世界は理解する。
魔王。
邪龍。
神。
時空。
宇宙。
そんなものより恐ろしい存在がいる。
**「休日を極めた引きこもりおじさん」**
である。
お読み頂き、ありがとうございます。




