ep12 絶望の未来
この物語は全てフィクションであり、実在する人物、事件とは一切関係ありません。
未来。
時空神。
「見るか?」
主人公。
見る。
未来を見る。
そこには。
未来の王都。
平和。
発展。
豊か。
争いもない。
人類は栄えている。
素晴らしい未来だった。
主人公。
真顔。
「……」
さらに先。
人類宇宙進出。
月面都市。
火星都市。
宇宙文明。
主人公。
「……」
さらに未来。
銀河文明。
恒星間航行。
超技術。
夢の世界。
普通なら感動する。
しかし。
主人公は震えていた。
「なんで……」
声が震える。
「なんで……」
さらに震える。
時空神。
「どうした?」
主人公。
絶叫。
「月に人がいるんだよぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
発狂。
時空神。
硬直。
「そこ?」
そこだった。
主人公。
「なんで住んでんだよ!!」
「月だぞ!?」
「人来ねぇと思ったのに!!」
激怒。
時空神。
「いや人類の発展としては喜ばしいことでは」
「よくない!!」
即答。
「全然よくない!!!」
月面都市。
主人公視点。
騒音。
人口密集地。
最悪。
◇
さらに未来。
飛行島観光ツアー。
主人公。
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
頭を抱える。
「飛行島も観光地になってる!!」
パニック。
「俺の秘密基地がぁぁぁぁ!!」
時空神。
「お前のではない」
正論。
◇
一万年後。
銀河首都。
人口数千億。
人類最盛期。
主人公。
涙目。
「もうどこにも逃げ場ないじゃん……」
そこだった。
人類繁栄の未来。
世界平和。
星々への進出。
すべて素晴らしい。
しかし。
休日おじさん視点。
全部ダメ。
人がいるから。
◇
時空神。
頭を抱える。
「お前」
「はい」
「未来で人類が滅んでいたら悲しいだろう?」
主人公。
即答。
「少し」
時空神。
安心する。
良かった。
ちゃんと人の心があった。
しかし。
主人公。
続ける。
「でも月住めるし」
時空神。
絶句。
◇
その頃。
王都。
勇者。
剣聖。
聖女。
賢者。
待機中。
空を見上げる。
「どうなった?」
賢者。
遠い目。
「人類の繁栄した未来を見て絶望したそうです」
沈黙。
勇者。
「……理由は?」
賢者。
同じく遠い目。
「月に人がいたそうです」
全員。
「ですよね」
納得。
完全に納得。
もう誰も驚かない。
なぜなら彼は。
世界最強。
魔王を倒した。
邪龍を食べた。
飛行島を秘密基地にした。
そして。
**人類滅亡より、近所に人が住む方が嫌な男だった。**
時空神の感想。
「……なんなん?」
お読み頂き、ありがとうございます。




