ep11 ブラックホール……なんてシュ○ゲ?
この物語は全てフィクションであり、実在する人物、事件とは一切関係ありません。
月面。
「いや、ちょっと待て」
主人公は腕を組んだ。
珍しく冷静だった。
誰も急いでない。
動いてない。
そもそも。
人がいない。
月だから。
「……」
考える。
知識を総動員する。
前世。
ゲーム。
漫画。
アニメ。
ネット。
そして。
「ブラックホールって」
ろくでもない前兆。
「時超えれるんじゃなかったか?」
世界がやばい。
ものすごくやばい。
主人公の目が輝いた。
「つまり」
「過去とか未来とか行けるんじゃね?」
やめろ。
本当にやめろ。
◇
王都。
賢者。
突然立ち上がる。
「大変です!!」
勇者。
「ああ」
もう慣れている。
「今度は何です?」
賢者。
顔面蒼白。
「月です」
勇者。
「月ですね」
慣れている。
「その月から超高密度魔力が」
「はい」
「ブラックホール理論を再現しています」
沈黙。
勇者。
「……」
剣聖。
「……」
聖女。
「……」
全員。
「あのおじさんか」
結論が早い。
◇
月面。
主人公。
「善は急げだ!!」
何が善なのだろう。
本人も分かっていない。
「れっつごー!!」
シュバッ!!
◇
ブラックホール近辺。
主人公。
大興奮。
「うおおおおおお!!!」
「渦巻いてるぅぅぅぅ!!!」
観光客である。
「かっこいいなコレ!!」
世界の終焉をもたらす天体である。
◇
ある男は考えた。
ブラックホール。
↓
時間が歪む。
↓
未来に行ける。
つまり。
「未来のコーラが飲める」
違う。
そこじゃない。
◇
「よし」
突入準備完了。
すると。
ブラックホールの中から現れる影。
巨大。
神々しい。
宇宙そのもののような存在。
時空神クロノス。
時の管理者。
世界法則の管理者。
超越存在。
「待て」
主人公。
停止。
「ん?」
クロノス。
「頼むから入るな」
主人公。
ぽかん。
初めてだった。
逃げるより先に。
話しかけられたのは。
「え」
クロノス。
真顔。
「頼む」
「本当に頼む」
「お前が入ると何が起こるか分からん」
「歴史が壊れる」
「宇宙が壊れる」
「私も分からん」
主人公。
考える。
数秒。
「……」
「じゃあ」
クロノス。
期待する。
説得成功か。
主人公。
「少しだけ?」
クロノス。
頭を抱えた。
◇
その頃。
王都。
勇者。
空を見上げる。
「どうでした?」
賢者。
遠い目。
「時空神が全力で止めています」
勇者。
「珍しいですね」
賢者。
「神が泣きそうな顔してました」
勇者。
「ああ……」
納得した。
そして遠い宇宙の片隅では。
時空神が。
邪神よりも。
魔王よりも。
恐るべき存在と対峙していた。
**「休日に飽きた元ヒキニート」**
である。
お読み頂き、ありがとうございます。




