ep9 ロマン・オブ・ザ・ワールド!
この物語は全てフィクションであり、実在する人物、事件とは一切関係ありません。
「宇宙って、ロマンだよな」
もちろんロマンである。
普通はロマンで終わる。
「行ってみよーーー!!!」
行くな。
◇
各種強化魔法。
身体強化。
酸素不要。
真空耐性。
重力耐性。
紫外線耐性。
放射線耐性。
その他色々。
用途。
宇宙旅行。
神々が泣く。
神速移動。
「うっひょーーー!!!」
大気圏突破。
「空気すくねぇぇぇぇぇ!!!」
当たり前だ。
宇宙である。
「いくら声出しても聞こえねぇぇぇぇぇぇ!!!」
当たり前だ。
真空である。
「ひゃっほーーーーーー!!!!」
近所迷惑の概念消滅。
主人公感動。
◇
月。
到着。
「月、着!」
軽い。
ものすごく軽い。
月面ジャンプ。
ぽよーん。
ぽよーん。
ぽよーん。
「マ○オじゃん!!」
三十八歳。
はしゃいでいる。
「最高ーーー!!!」
さらに跳ぶ。
さらに跳ぶ。
さらに跳ぶ。
コイーーーン!
月面にあった謎の古代遺物ゲット。
「何だこれ」
ポケットへ。
興味終了。
その古代遺物。
神代宇宙文明の至宝。
興味なし。
◇
「ふぅ」
満足。
美しい地球を見る。
青い星。
雲。
海。
大陸。
感動する。
普通なら。
しかし主人公。
見つめる先が違った。
「……」
「……」
「……はっ!!」
何かに気付く。
天啓。
閃き。
世界を変える発想。
「ここに住めばいいのでは?」
月。
人がいない。
最高。
静か。
最高。
誰とも目が合わない。
最高。
行列がない。
最高。
ギルドがない。
最高。
受付がいない。
最高。
勇者も来れない。
最高。
主人公。
震える。
「ついに見つけた……」
「理想郷だ」
◇
その頃。
王都。
勇者。
賢者。
剣聖。
聖女。
緊急会議。
「超特大魔力反応です!!」
王。
「どこだ!?」
賢者絶叫。
「月です!!」
沈黙。
王。
「月」
賢者。
「月です」
勇者。
「ああ……」
納得。
「彼ですね」
もう慣れた。
◇
月面。
主人公。
ベッド設置場所を検討中。
「このクレーターいいな」
不動産鑑定士。
「見晴らしもいい」
宇宙である。
「隣人いないし」
月である。
当たり前だ。
主人公は満足そうに頷いた。
「完璧だ」
世界初の月面移住を決意した男の第一声。
「コーラどうやって運ぼうかな」
だった。
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