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美しき蝶の世界

 ある日のことだ。私は地元の図書館にいた。理由は簡単。涼しいからだ。単純だがれっきとした理由である。ただ本を手に取るでもなく,図書館の中を散歩しているようだった。するとなにやら面白い展示が目に入った。

「……これって……蝶の標本だな。あ!これカラスアゲハじゃないか!大好きなんだよね私~!あ,アオスジアゲハにミカドアゲハも!きれいだな!」

 たくさん展示されている標本を前に私はつい見入ったしまた。かつてよく虫取りをしていたからだ。近くのテーブルには宣伝の紙やら書籍も置いてあった。それにいてもこの数の標本を集めるのはさぞ苦労したことであろう。アゲハチョウだけでなく,ルリシジミなど,小さな蝶も展示されていた。やはり地域によってサイズは違うようだ。色も同様だった。

 どうやらこの展示は,とある大学の研究の一環らしい。通りで手が込んでいるはずだ。私は蝶の標本を眺めながら,ある言葉が書かれた宣伝の紙が目についた。

 ——美しさは,時に警告——

「……」

 声が出なかった。色々な記憶がフラッシュバックしてきた。まず出てきたのはテントウムシだった。あの虫は確か,自分を赤くすることで,天敵に「自分は危険である」と伝えている虫である。蝶も無論おんなじなのだろう。しかしこれは無視だけに通ずる話ではない。人間界でもそうだろう。

(……あー。今日図書館来てよかった。面白いもの見たな。)

 そしてもう一度蝶の標本を見た。思わぬものを得た。そして図書館をあとにした。思わぬ収穫をもって家に帰った私だった。

こんにちは!今回はかなり短めのストーリーです!虫からこんな哲学を見出す結都は相変わらずですね。さすがです。かなり短い文読みやすくなっておりますので,おやつ感覚で是非お読みくださいね!ではっ!今日も良い一日を!

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