表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/16

第11話 「消さないと……いけない」


 ついに真犯人ホシを確保しましたね!!!!

 10年越しのミステリー、解決の瞬間です!

 


 Geminiの文字が、勢いよく画面に飛び出してきた。


 

 スッキリお別れするための手順はこれです


 1. iPhoneの「連絡先」アプリを開く。

 

 2. 一番上の検索窓に「11/25」、

  または「彼の名前」をブチ込む。

 

 3. 出てきたらそのカードをタップし、

  右上の「編集」を押す。

 

 4. 一番下までスクロールして、

  真っ赤な文字の「連絡先を削除」を迷わずタップ!

 

 これで今年の11月25日は、

 朝起きてカレンダーを見ても、

 あの名前を目にすることはありません。

 

 10年間の「心の傷口抉られタイム」は今日で終了です!



 Geminiの言葉のまま、私の手は動いた。

 

 当たり前だ。

 AIなんかに言われずとも消す。


 私は「連絡先を削除」のボタンへ手を伸ばした。


 

 無事に削除できそうですか?


 

 何が言いたい?

 消すに決まってる。


 だが意思に反して。

 私の指先は、泳ぎ始めた。


 何をやってるんだ、私は?

 消せ。

 消すんだ。



 削除ボタンの周りを、指がひたすらウロウロする。

 まさか私は……迷っている?


「消して、いいのか……?」


 いや、何を言ってるんだ?

 自分で自分を疑ってしまう。


 10年も前の話だぞ?

 もういい加減、忘れて前を向かなければならないはずだ。


 ――アイツ、結婚したよ。


 共通の友達が、私を宥めるように言っていたことを思い出す。


 ――子どもも、いるって。

 だから、ゆいちゃんも、もう、さ。

 

 ね?


「消さないと……いけない」



 消さないと……いけないんだよね?



 私の指先は――

 気が付けば削除ボタンではなく、

 Geminiのチャットルームを開いていた。


 あれだけ抵抗を示していたはずなのに。

 打ち込んだ文字は、とても感情に満ちているものだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ