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初陣3

 無我夢中で走っているとすぐに視界にメリーナを捉えることができた。

 すぐさま私は戦闘中のメリーナに安全に気づいてもらうため、声を張り上げることはせず、通信でサラーに頼んでメリーナの前方にいた敵を狙撃してもらった。そして、思惑通り彼女が私達の接近に気づき、私達は無事に合流をした。


「――というわけですの」

「なるほど。

 ここまで苦労させてしまったようだ。すまない......」

 その後、彼女から大まかな話を聞いた私はすぐに彼女に謝罪をした。


 思い返してみれば普段のイザベラは何かと焦っていたように見えたし、最近の彼女は何かを抱えていたようにも感じた。

 だが、私は過度に干渉して拗れてしまうことを恐れ、やんわりと告げるか本人から小隊の誰かに直接相談されるまで見守ろうと判断した。

 それが、まさかここにきてこのような結果になってしまうとは思いもよらなかった。

 現状が異常事態だから仕方ない、という言い訳は一切せず私がただただ後悔をしているとメリーナが慌てた様子で声を上げる。


「い、いえ! あたしの副隊長としての能力不足が原因と言いますか」

 彼女の言葉にハッと我に返った私は、今すべきことをせねば、と切り替えて、未だ話しているメリーナを遮って話を始める。


「その、あたしがもっと――」

「まずは通信機を装着してくれ。エミリー、頼む」

「了解......」

「あっ」

 私がエミリーから鞄を受け取り、鞄を開けて中身を露出させると、彼女がその中にあった1組の通信機を取り出し、即座にメリーナの両耳に装着させた。

 そして、色が変わり、メリーナに異常が無いかを確認しているとずっと前からメリーナの近くにいた中隊長殿に通信越しに声をかけられる。


『おい。お前がリーダーでいいんだよな?』

「え?」

 しまった。メリーナ達のことばかり気にしていて彼らの存在を忘れていた。

 ヴァネッサ達の件について何か厳しい沙汰があるのだろうか、いや、それよりも先ほどの問いになんて答えれば。返事ができないと余計に事態が悪化しかねない。

 リーダーという言葉の意味が分からなかったが雰囲気的に隊長のことを指しているに違いない。

 そう私は判断し、なるべく自然体を装って通信で返事をする。


『あ、はい。そうです』

 これに対して彼は特に不信感を抱くことなくさらに話を進めていく。


『なら、あの群れの中で暴れている連中の手綱をしっかり握って牛連中のかく乱をしちゃくれねぇか? なんだかんだで牛連中の気を引けているのは有難いんでな』

『え? あ、はい!』

 どうやら結果的にではあるがヴァネッサ達の独断専行はそこまで問題になっていないようであった。

 しかも、その行動を継続してほしいと命令ではなく依頼のような形で言われてしまったので私は返事をするしかできなかった。

 私の返事を受けて彼は即座に歩き始め、私の左横を抜けると同時に端的に話をする。


『んじゃ頼む。俺らは他の隊の援護に回る。

 指示はその都度出すからちゃんと動いてくれよ! あと、なるべく早く戦線を立て直す! それまで無茶すんなよ!』

『了解!』

 そのままこちらを一切振り返ることなく走り去っていく彼らを見届けた後、なんとなったのか、と安堵した私は軽く息を吸ってから隊員達の方へ振り向き、簡潔に話す。


「皆、色々と考えたり話し合ったりしたいことがあるが、まずは、ヴァネッサ、イザベラと合流をする。急ぐぞ!」

「「了解!」」

 私は先頭を走り、その右後ろにメリーナ、左後ろにエミリーが続く。

 前方に敵の群れが見えるが、ヴァネッサ達を視認することはできないな。時折、群れの中央付近で爆発音や雄叫び声やら悲鳴やらが何度か聞こえてくるが彼女達は無事だろうか? 様々な音が鳴り響いているが集中すれば聞き取れそうだな。

 そう思って私は走りながらヴァネッサとイザベラの声を聞き取ろうとする。


「おらおらおらぁぁぁっっっ!!」

「ヴァネッサお姉ちゃん! 流石に前に出過ぎだよ! いつの間にかいろんなのに囲まれちゃってるよ!! これじゃミサイルもいっぱい飛んでくるし敵も突っ込んでくるしで迎撃が追い付かなくなるよ!!」

「大丈夫っすよ!」

 な、何が起きているんだ? とりあえず、無事であることは分かった。それに、群れに大きな動きが無いから余程のことは起こっていないということも。だが、今は大丈夫でもその先がそうとは限らない。とにかく急いで彼女達との安全な合流方法を考えないと。

 と私が急いで頭を回転させているとサラーから通信が入る。


『たいちょーサン、ヴァネッサとイザベラは今のところ無事だよ~。てか、物凄く元気って感じかな~』

『そ、そうか。分かった......』

 元気、なのか......ま、まあ、サラーの様子から深刻な状態ではないようだな。だが、常に全力で戦い続けることは不可能だし、この鎧のこともある。そもそも、ヴァネッサやイザベラが敵に囲まれた状態でも平然と戦い続けていられること事態が異常なのだが、この鎧のおかげなのか?

 そういえば、ここから砦までかなり距離があったはずだが、サラーはよく見えたな。これも鎧の、いや待て、そういえばここまで全く疲労を感じなかった。やはり、この鎧、とんでもない物なのでは? これほどの力を何の代償もなしに行使できるとは――


『たいちょーサン? 大丈夫?』

 あれこれ考えているとサラーから声をかけられ私は我に返って慌ててサラーへ指示を出す。


『あ、いや大丈夫だ。すまない。引き続き観――』

『そちらの狙撃手を借りたい。問題無いだろうか?』

 すると突然、副隊長が割り込んできて、サラーを借りたいと言ってきた。

 私達は一時的とはいえ中隊の所属になったのだから、命令を出せばいいのに何故中隊の隊長殿や副隊長殿は命令を出さないのだろうか?

 いや、そんなことよりも、命令ではないとはいえ上官からの言葉だ。すぐに返事をせねば。

 思考を切り変えて私は返事をする。


『......はぁ? なんでそんなことを――』

『問題ないです。

 サラー、頼めるか?』

 あれ? 今何か聞こえた気が......


『まかせて~。チャチャッと終わらせてたいちょーサンの援護をするね~』

 いや、気のせいか、と私が思っているとヴァネッサ達の声が普通に聞こえるくらいまで群れに近づいて来た。


「こいつ等、図体がデカいだけのただの的っす!! 弾ぁ当たっても爪や牙が食い込んでも痛くも痒く......はあるっすけど、まあとにかく、適当に剣をぶん回せばいともたやすく真っ二つなんて、魔獣連中の方が一撃で重傷を喰らうからまだ手ごたえも歯ごたえもあったっすよ!!」

「でも、刀身よりも大きい敵を両断するなんてヴァネッサお姉ちゃんしかできないと思うんだけど!」

「それくらいイーザちゃんなら鍛錬を積めばできるようになるっすよって思ったすけど、この剣だからできるような気がするっすね! 一旦この剣持ってみて斬ってみるっすか? イーザちゃん!」

「で、できるわけないよー!! それに死骸が邪魔になるよ!!」

「即席の防壁にすればいいっすよ! 飛び越えてきた奴なんてこんな感じで無防備っすぅよっと!!」

 本当に何があの中で起きているんだ。と私が早く自分の目で確認したくなる気持ちを抑え、メリーナ、エミリーとの足並みをそろえようと走る速度を落とした。


「な、なかなか凄まじいことになっていそうですわね」

「隊長......どうする......?」

 先ほどのヴァネッサ達のやり取りが聞こえていたのだろう若干たじろいでいるメリーナと冷静に指示を待つエミリーに私は即座に指示を出す。


「メリーナの時と同じように周辺の敵を倒して気づかせよう。

 二人は銃で外側の敵の掃討を任せる。貫通力があるから誤射に気を付けろよ。

 私は近接戦を仕掛けつつ中央を突っ切る」

「「了解」」

「行くぞっ!!」

 2人の返事を受けて私は短機関銃を背中に仕舞い左腰から光剣の出る筒を取り出しながら腰を低くしながら走り出した。

 そして、メリーナから聞いたヴァネッサの光剣を使用した戦闘を思い出しながら刃を出現させ、目の前にいる後ろを向いて無防備な姿をさらしているやや大きな牛の後ろ右脚めがけて光剣を突き刺す。


「はぁぁぁっ!!」

 念のためにと気合を込めて思いきり光剣を突き刺すが、それはあっけなく脚を貫通し、そのまま脚を切断した。そして、脚を一つ失ったことで体勢を崩した牛は右後ろへ身体が傾いていき、突き出したままの光剣に胴体後ろが触れてドロドロに熔けながら倒れていった。


「!? この剣、なんて切れ味なんだ!? 想像以上だ......」

 あまりの光景に私は驚いたが、即座に剣の性能に気づき、倒れた牛の右横へ移動し軽く振りかぶって真っ二つに斬り落とした。


「小刀なんかよりも......いや、これなら!」

 この戦闘により、異変に気付いた周囲の牛や虎、狼などの敵が私の方へ身体を向けるが、私はそれらを無視して素早く移動し、光剣で近くにいた牛の脚を斬り飛ばして倒してから胴体を斬った。だが、その背後から牛を囮にしたかのように虎が跳びかかってきた。


「くっ、こんのぉっ!」

 爆発音に気を取られた私は歯を食いしばりながらやむなく盾で体当たりを敢行すると、虎はあっけなく吹き飛ばされた。


「なっ、こんなたやすく吹き飛ばせるとは。しかも、盾も特に凹んでいないなんて。この鎧と武器、なんて凄い力なんだ。この力が最初から私にあれば皆を......」

 虎はそのまま後ろにいた狼にぶつかり、もつれ合うように倒れた。

 そこへすかさず、私は光剣を突いて串刺しにした。


「いや、いまさら言っても意味は無い、か......」

 そう独り言を漏らしながら私が光剣を振りまわして敵を斬り倒しながら進んでいると目の前に敵とその死骸に囲まれ、背中合わせに立つヴァネッサとイザベラを発見した。

 そして、私が開けた穴を突っ切ってきたメリーナとエミリーの射撃によりヴァネッサとイザベラの目の前にいた鋼獣は倒された。


「こ、これは! もしかして!」

「なんすか? 俺の邪魔をするんすか?」

 目の前に起きた出来事を認識したであろうヴァネッサ達に私はすかさず大声を上げる。


「ヴァネッサ、イザベラ、一度下がれ!」

「たいちょー!! 今いいとこなんすけど!」

「エレナお姉ちゃん!! もうちょっとだけ!」

 ヴァネッサはともかく、どうしてイザベラまで好戦的になっているんだ。一体彼女に何があったんだ。

 と色々と頭が痛くなりかけたが、ヴァネッサさえ下げることができれば何とかなるはず、と考えた私は即座に考えて言葉を発する。


「いいから下がれ! 折角エミリーが通信機を持ってここまで来て待っているんだぞ! エミリーの仕事を無駄にするつもりか?!」

 正直、誰かを餌にするようなことはしたくないのだが、今は緊急事態だ、と心に言い聞かせながら私が言うと、ヴァネッサは態度を豹変させる。


「じゃあしょうがないっすね! イーザちゃん、急いで向かうっすよ!」

「え、あ、うん!」

 ヴァネッサが言うことを聞き即座に私達のもとへ走り、イザベラも慌てた様子でそれに続いた。

 下がる彼女達を好機ととらえたのか襲い掛かる敵を私は光剣から短機関銃に切替え、意図を察したメリーナ、エミリーと共にばら撒くように牽制しようとして敵を倒していった。


 無事にヴァネッサ達がこちらと合流を果たす際にエミリーから苦言を呈される。


「隊長......」

「すまない。とにかく、先にヴァネッサを頼む」

「了解......」

 これ以上は追及をしないといった様子でエミリーは武器を仕舞い、黙々と通信機の準備をする。

 そこへ、ヴァネッサが不満ありげに話し始める。


「早く沢山敵をぶち殺したいっすのに」

「ヴァネッサお姉ちゃん......こっちに......言うこと聞かないと......嫌いになる......」

「わ、分かったっすよ!! ちゃんと聞くっす!!」

 エミリーの少々長めな一言を受けヴァネッサは態度を改め、素直にエミリーの元へ向かっていった。

 その彼女の後に続くようにやってきたイザベラが申し訳なさそうに私の邪魔にならない場所に来る。


「エレナお姉ちゃん......」

「イザベラはヴァネッサの通信機装着が終わるまで待機だ。疲れていなくても今まで戦っていたんだ、

休息は必要だぞ」

「了解......」

 未だ迫りくる敵への対処に時間を割かれ、私は短機関銃を乱射しつつ不安そうにしているイザベラに対して最低限のことしか言えなかった。

 本当は長時間戦闘を繰り返していたイザベラ達の体の具合を詳しく調べたかったがそれをする暇はなく、とにかく敵を近づけさせないように集中することしかできなかった。


 その後、ヴァネッサ、イザベラの2人に通信機を装着し終えると、私達は一旦体の具合を確かめ合い、大きな問題が無いことを確認してから本格的に動き始めた。


 付近にいた敵をメリーナとエミリー、イザベラが射撃戦を行い、ヴァネッサが黒剣で、私が光剣で格闘戦を挑んで敵の数を減らしていった。

 時折、サラーからの狙撃が丁度良い時に敵を穿ち、銃と剣で敵を薙ぎ払って数を減らしていき、上官からの命令が出るまで私達が小隊として行動し、あらかた掃討し終えると敵に変化が表れた。

 周囲の牛は相変わらずミサイルによる波状攻撃を仕掛けて来たが、虎と狼は撤退を始めていた。

 これにいち早く気が付いたヴァネッサが声を荒げる。


「ん? ......あ! 逃げるんすか!?」

 ヴァネッサが腰を深く沈めて走り出そうとするとすぐさま副隊長から通信が入る。


『鋼獣の撤退開始を確認! 各自、深追いはするな! 繰り返す――』

『ああ? なに――』

『皆、止まれ! 指示に従うんだ! 特にヴァネッサ!! 事態を悪化させるつもりか!?』

『『『『『了解』』』』』

 ヴァネッサが反論をしそうだったので急いで私は全員にその場から動かないよう通達した。

 ヴァネッサがつんのめりながらきちんと立ち止まったことと周囲にいた敵が一目散に逃げだしたのを確認してから私は大きく息を吐いて独り言を漏らす。


「ふぅ。とにかく、何事もなく終わったか」

 そして、この後に起こるであろう厄介ごとに対してどう対処していくべきか、私は即座に考えるが、穏便に話し合いができれば良いのだがくらいのことしか浮かばず、そこに至るための上手い方法を考え付かないでいた。


「ここからどうすべきか......

 私は皆を守れるのだろ――」

 つい、弱音を吐いてしまうが、それを吐ききる前にいつの間にか近づいていた中隊長殿に声をかけられる。


「なあ、お前らは一体な――」

 彼の雰囲気から私達がこの国の人間ではないということが発覚したようなものであり、私はただ息を飲むことしかできなかった。


「あー、ちょっと失礼するよー」

 だが、彼が言い切る前に地面に大きな影が差し込み、空を見上げるといつの間にか私達が乗っていたと思われる飛行物体が割り込んできていた。


「タイミングの悪いっ!」

「これは?!」

 驚いて無言になる私と中隊長殿を無視して飛行物体から声が発せられる。


「えーっと、特戦機パイロット全員に告げる。ただちに武装を解除し両手を上げなさい。

 君らには諸々の疑いがもたれている。すまないが、ただちに身柄を拘束させてもらうよ。

 そうそう、きちんと言うことに従えば悪いようにはしないよ。

 あ、第3中隊長殿。特戦機の確保とパイロットの捕縛の手伝いをお願いします」

「え......? あ、ああ。上層部からの指示を確認した」

 こ、拘束だと?! もう私達のことが発覚してしまったのか?! いくら何でも早すぎる気が、いや、それよりも、私達がやるべきことは......

 と私が内心で慌てていると皆がそれぞれ通信越しに話し合いを始める。


『ど、どうしよう! イザベラ達のことを話したほうがいのかな?!』

『戦果上げれば大丈夫なはずじゃなかったんすか?

 あっ、そうだ。武器を捨てて両手を上げながら蹴飛ばしてここから逃げれば良いんじゃないっすかね?』

『おバカ! そんな頓智みたいなことをしては悪化するだけですわ!!

 それに、話し合いができそうな雰囲気ではなさそうですわね......』

『逃げるにしても......どこに......この状況からどうやって......?』

『そもそも、ここがどこかなのかも分からないしね~。というか僕なんて砦に孤立してるし~』

『皆、言う通りにするんだ。決して攻撃をしたり抵抗したりしないように!』

『『『『『了解』』』』』

 私はそういうと即座に背中にある銃器を外そうとすると即座に4つの銃器がボトボトと地面に落ち、それを確認してから手に持っていた盾や光剣を消した筒を捨て、右腰に残っていた筒も投げ捨てた。

 そして、一切敵意が無いことを示すために両手をゆっくりと高く上げ、両膝を地面ついて待った。

 そこへ、中隊長殿が仲間を連れて独り言を漏らしながらゆっくり歩いてくる。


「はぁ。何が何だか......」

 彼の独り言に私が余計なことを言うまいと黙っていると、彼は一度ため息を吐いてから私に話しかけてくる。


「あー。コクピットを開けてくれねぇか?」

 彼の仲間が次々隊員達に銃を突きつけるが、私はコクピットやらのことも開け方も知らないので変に時間をかけてしまうよりかは疑われてしまうが素直に言うしかないと判断して話していく。


「えっと。すみません。開け方が分からないです......」

「はぁ?」

 彼から呆れた声が上がるがどうやら即座に撃つつもりはないらしい。

 私は内心で冷や汗を流しながら彼の次の言葉を待っていると再び空から声が聞こえてくる。


「あっ、事故防止やら何やらでこっちでコクピット関連の操作しなきゃいけないんだった。

 しばらく特戦機から離れてたし、普通に動いてたからすっかり忘れてたね」

「えぇ......」

 中隊長殿が呆れた様子で空を浮かぶ大きな物体を見上げていた。彼の仲間たちも彼と同じ心境なのか、銃口がやや下がっていた。

 私が彼らのやり取りをただ黙って聞いていることしかできずにいると、またしても唐突に空から声が響く。


「そうだ。強制停止すればいいじゃん」

「えっ? おい、待――」

「うっ......!」

 いきなり身体中に痛みが走ると、力がだんだんと抜けていくような感覚に陥り、目の前が真っ暗になていく。


「おい! 馬鹿! クソッ!」

 薄れゆく意識の中、中隊長殿が急いでこちらに駆け込んでくる様子が見えた。


「おい! 急いで特戦機を支えろ!

 それと、パイロットの状態確認もだ! 急げ!

 ったく、まだ残骸の回収作業があるってのに余計な手間を!」

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