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9話 登録者100万人


ーー未開拓ダンジョン、25層にて


 「ではでは改めましてー!私、ツイチューブ登録者100万人、ヨイッチの方は55万人の配信者をしております、美味姫と申します」


 そう言って美味姫さんは俺に頭を下げてきた。

 と、登録者100万人だって……大物配信者じゃないか。


 「どうもです、俺も一応ツイチューブやってて、登録者は5.5万人ほどで名前はソロキャンダンジョン侍千川丸です」

 「おぉ、同志の方でしたか!それは喜ばしい事実でありますね」

 『ススッ』


 そう言って美味姫さんは右手を差し出してきた。


 『ガシッ』

 「よ、よろしく……」


 とりあえず差し出された右手を掴み、俺は握手をした。

 これでいいんだよな、あとから痴漢とか言われないよな……。


 「よろしくお願いします!!」


 握手をすると美味姫さんは、目をグワッと開けてそう言ってきた。

 凄いテンションで生きている人だな……。

 

 「にしてもここはどこですかね、教えてくれませんか同志よ?」

 「えっとここは、おそらく未開拓ダンジョンかな」

 「ほほう、未開拓ダンジョンですか!」


 美味姫さんは未開拓ダンジョンと聞くと目をキラキラと輝かせ始めた。

 怖いとかないのかなこの人……。


 「はい……というか美味姫さん、なんで貴方はこんなところにいるんですか?」

 

 俺は1番気になっていた事をその流れで美味姫さんに訊ねた。

 そもそもここに美味姫さんがいる事自体が謎なんだよなぁ。

 俺はソロキャンのために来たけど、この人は一体何の為にここへ来たのだろうか。


 「私はゲテモノ配信のためです、この近くにおばあちゃん家があって、テキトーに散歩してたらこのダンジョンがあったので入った次第です」


 お、俺と似たような理由だ……。

 ていうか美味姫さんのおばあちゃんの家、この近くにあるんだ。

 結構な個人情報だし聞かなかった事にしよう。


 「なるほどね」

 『ビビッ』


 その時、俺のスマホに1通の通知が届いた。


 「お、電波が回復したみたいだな」


 通知内容は先ほど飛ばした電波中継機のドローンからだった。

 どうやら地上にドローンが辿り着いたらしい。

 

 「どうかしたのですか同志?」

 「朗報です美味姫さん、電波が回復しました」

 「おお!なんと、それは喜ばしき事ですね、ではさっそく」

 『ガサガサッ』


 そう言って美味姫さんは、持ってきたリュックサックを開けて何やら準備を始めだした。


 「一体、何をしているのですか?」


 俺は思わずそう訊ねた。


 「何って配信の準備ですよその為にここへ来たのですから」

 「え、配信?」

 「はい!ではでは配信スタートさせますね」

 「ちょ、待って……」

 

 そう言って俺は美味姫さんを止めようとするも、時すでに遅しだった。


 「遅いですよダンジョン侍千川丸さん、それポチッとな」

 『カチッ』


 そう言って美味姫さんは配信開始ボタンを押すのだった。

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