7話 中域階層
ーー未開拓ダンジョン、??階層
『ズシャアア』
「つ、着いたみたいだな」
階層変動が起きて10分ほど、俺のいるここ第2階層は下に落ち続けやっと止まってくれた。
ここは一体、第何階層なんだろうか。
こういうときはアレを使うか。
『ガサガサ』
「あったぞ、"階層チェッカー"」
便利アイテム階層チェッカー。
これは階層変動などが頻繁に起きるダンジョンで使われるアイテムで、今自分が何層にいるのかを教えてくれる。
「さぁて俺は今、第何階層にいるか教えてくれよ相棒」
『カチッ』
そう言って俺は、ダンジョンチェッカーの電源を入れた。
『ビビ、現在の階層は全95層中の25層でございます』
「25層か、ていうかそれよりも全95層って言わなかったか?」
難関ダンジョンでも70層くらいだよな、確か。
それなのに95層って……おそらく階層だけで言えば世界最深のダンジョンだよな。
まぁ今後のことはあとから決めるとして、とりあえずテントの美味姫さんが無事かを確認しよう。
『ガラッ』
「……お、おーい、大丈夫かぁ?」
「スー、スー」
テントを開けると美味姫さんは寝息を立て意識は夢の中にあった。
こんな状況でも寝れるなんて凄い人だな。
まぁでも寝てくれるのは助かる、その間に少しこのダンジョンについて考えてみる事にしよう。
『ゴトッ』
『カチチチ』
俺はカセットコンロの上に鍋を置いて、コーヒーを飲むためのお湯を沸かし始めた。
「えっと、まずは電波を受信しやすくしないと」
『ガサガサ』
そう言って俺は、持参した電波の中継機の役割をしてくれる無人機ドローンを10機ほど取り出した。
このドローンは、10階層ごとに置いていくだけで、100層まで電波を中継できる優れ物。
まずはこれを使ってこのダンジョン内の通信環境を安定化させよう。
『カチッ』
『キュイーン』
スイッチを入れるとドローンの羽が回り出した。
『ギュイーン』
そうして10機のドローンは各階層へと飛び立っていった。
「これであと数分もすれば電波は回復するはずだろう、そしたらスマホで地上に助けを呼んでこの子を助けてもらおう、俺は何かの縁だしこのままここを攻略する」
ソロキャンのつもりできたのに、まさかの未開拓ダンジョン。
普通ならパニくる展開だけど、やっぱり俺も根っからの攻略者なのかな、こんな状況だけどワクワクするんだよなぁ。
「さてそうと決まれば、電波が回復するまでに今後の攻略プランを練らないと」
『トポポポ』
そうして俺は、沸いたお湯をインスタントコーヒーのティーパックの中へと注ぎ込む。
「さてと、ひとまずコーヒーでも飲んで落ち着くとしようか」
『グオオオオオ』
その時、どこかでドラゴンの鳴き声が聞こえてきた。
これはもしや階層変動後の縄張り争いか。
階層変動後は、元々その階層付近にいたモンスターと新しくきたモンスターとの間でしばしば縄張り争いが起きる。
「まったく、のんびりコーヒーすらも飲めないとはな」
そう言って俺は、立ち上がりドラゴンの鳴き声のする方へと歩き出すのだった。




