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44話 おっさんキレる

ーー未開拓ダンジョン、80層にて


 「春一くん!!」


 背中を貫かれて吐血する春一を見てそう叫ぶ美味姫。


 「くっ、逃げて……美味姫さん」


 消えゆく意識の中美味姫の身を案じてそう話す春一。


 「イヤニガサナイゾ、エルフ」

 『ガシッ』

 「!?」


 美味姫の方へと歩き出そうとする人型モンスターの足にしがみつく春一。


 「い、行かせない」

 「ドケ」

 『バシィン』


 そんな春一を紐状の刃の側面で叩く人型モンスター。


 「ぐはっ」


 その一撃により春一は気を失ってしまう。


 「モウコレデ、オマエをマモルモノはイナイ」

 『シュバッ』


 人型モンスターはそう言って、無数の紐状の刃を美味姫に向けて放った。


 「た、助けてー!!」


ーーチャット欄にて


 "まずい終わりだ"

 "これはさすがにヤバくないか"

 "美味姫逃げてー!"

 "だ、だれか来てくれー"


 『スッ』


 その時、美味姫の背後から一人の男が現れる。


 「【リミットボーナス】複数装填、魔炎・剛拳」

 『ガシャン』

 「スキル・ミックス専用技"フルバースト・バーンインパクト」

 『ギュオオオオ』


 金色の光を放ち、両腕に豪炎を纏った太一。


 『キキン』


 そして火の粉を払うかの如く紐状の刃を、豪炎を纏ったガントレットで跳ね除けた。


 「美味姫さん、春一君を連れて離脱をお願いします」

 「そ、ソロキャン侍は?」

 「俺はアイツを倒します」

 『ブオオオオ』


 そう言うと太一は両腕のガントレットから豪炎を放出した。


 「すまん春一君、遅くなってしまって、だが君の敵は必ず俺が取るからな」


ーー大和小隊無線にて


ー(大和)カッコいいっすね先輩!


 その時、無線で大和から通信が入った。


ー(太一)大和か!


ー(大和)遅くなってすみません、いやぁ大変な事になってますね


ー(太一)お前、呑気な事言ってる場合かよ、どこにいるんだ?


ー(大和)どこって、後ろですよ


ー(太一)後ろ?


ー(大和)いやいや先輩のじゃなくてーー


 「ここっスよ」

 『ヒュオオオ』


 そして大和は突然人型モンスターの背後に現れる。


 「!?」


 突然現れた大和に驚く人型モンスター。

 ギョッと固まったその身体に大和は、自身のハンマー型専用武器【アイシス・インパクト】が迫る。


 「ウチの春一をよくもやりやがったな、このバケモン、専用技アイスインパクトぉ!!」

 『バコォン』


 大和はそう言って人型モンスターの背中に氷のハンマーをぶち込んだ。


 「さぁ先輩、そっちに飛ばしたんであとは頼んますよ」


 大和はニヤリと笑った。


 『ブオオオオ』

 「上出来だ大和、あとは俺に任せろ」


 飛んでいった先で待ち受ける太一、両腕の炎は最大火力に到達する。


 「安達と春一君の仇だ馬鹿野郎、喰らえ俺の最大火力【奥義】ブレイブ・ナックル」

 『ズドォォン』


 そうして放たれた太一の拳は、人型モンスターの腹に命中するのだった。

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