34話 防衛はドローンにお任せ
ーー未開拓ダンジョン、ベースキャンプにて
俺は早めに夕食を済ませて村松さんの元へと向かっていた。
「おお太一くん!」
「村松さん!」
村松さんに呼ばれて着いたのはベースキャンプの奥の方にある、小さなプレハブ小屋だった。
凄いな村松さん、いつのまにこんな小屋作ったんだろう。
「村松さん、凄いですねいつのまにこんな小屋作ったんですか?」
「大した事はないよ、簡易的なプレハブ小屋さ」
「そ、そうですか……」
プレハブ小屋には、春一くんの【ムラクモ】や丹波さんの【アルテミス】なんかが置いてあった。
なるほど各メンバーの専用武器のメンテナンスは、村松さんが行っていたのか。
「ほれ太一くん!」
『ポイッ』
そう言って村松さんは小さな指輪を俺へと投げた。
『パシッ』
「お、ナイスキャッチ!太一くん」
「村松さん、これって……」
「新しいスキルリングだよ太一くん、今付けてるやつだと、A級指定の治癒スキルとか装備できないでしょ」
む、村松さぁん。
正直、今付けているスキルリングはAランク相当の攻略者向けのやつなので、村松さんがくれたSSランク相当の指輪は物凄く嬉しい。
あとでスキルをダウンロードしておこう。
「助かります村松さん!」
「いいよいいよそれくらい、太一くんがいてくれるから助かってることも多いしさ」
「村松さぁん」
そう言って満面の笑みを浮かべる村松さん。
あれこの感じもしかして俺、戦力としてカウントされてる感じか?
いやいや村松さん、ブランク2年のおっさんに期待しちゃいかんでしょ。
「期待してるよ太一くん」
『ガシッ』
そう言って村松さんは両手を俺の肩に置いた。
え、いやいや村松さん本気ですか?
『ビー!ビー!侵入者アリ!』
その時、プレハブ小屋に置いてある警報器が大きな音を立てて鳴り出した。
「村松さん、これって……」
「さすがは未開拓ダンジョン、どうやら休んでいる暇などくれぬようだな太一君よ」
そう言って嬉しそうに準備を始める村松さん。
おいおい侵入者が来てるのに楽しそうにするなよ、まったく大ベテランはこれだから困るよ。
「そうですね村松さん、とりあえず俺は外の様子を見てきますね」
「あ、太一君ちょっと待ってね」
村松さんはそう話すと、プレハブ小屋の奥から2機のドローンを持ってきた。
「村松さん、それは?」
「攻撃用のドローンだよ」
「ええ!なんすかそれ!」
「最近の拠点防衛はドローンなんだよ太一君」
楽しそうにそう語る村松さん。
最近の攻略は、拠点防衛にドローンを使うのか、2年前の事なはずなのに時代の進歩は脅威的だな。
そうして俺と村松さんはドローンを持って、外へと出る。
「えっと村松さん、本当に俺は敵の迎撃に向かわなくていいのですか?」
「ああ大丈夫だよ、この子達が倒してくれるからね」
『ポチッ』
村松さんはそう言うと持っていたスマホでドローの電源を入れた。
「自動制御モードオン」
『グオーン』
「おお!」
電源入れるとすぐにドローンは動き出し、さっそく敵の迎撃へと向かい始めた。
「村松さん、俺やっぱり気になるのでちょっとドローンについて行ってもいいですか?」
「ああ構わないよ」
「ありがとうございます!」
村松さんの許可を得た俺はバックからカメラを取り出してドローンを追うべく走り出す。
ドローンが攻略者の拠点を守る映像を俺の配信で映せれば、結構盛り上がるよな。
今まで配信者らしい事とかしてこなかったし、こういうチャンスを活かしてみるのもいいよな!
『カチッ』
そうして俺は配信を始めるべく、カメラの電源を入れるのだった。




