31話 スキル・ミックス
ーー未開拓ダンジョン、80層にて
スキル・ミックス、それは異なるスキルの重ね発動の事であり、その真価はスキル同士の掛け算による破格の攻撃力。
太一の場合、"剛拳"に"魔炎"を纏わせることで、"剛拳"の持つ破壊力に魔炎による炎を付与できるため、絶大な威力となる。
「コマンダーゴブリンか、若い頃は村松さんと沢山倒したよな」
静かにそう呟く太一。
「グォォオオ!!」
近づいてくる太一を見て、叫び声をあげて威嚇するコマンダーゴブリン。
「俺に注意はしっかりと向いてるみたいだな」
左右に展開する春一と大和を確認した太一。
「おい大和!春一君!俺がこいつを吹っ飛ばすから、そのあとの事は頼んだぞ!」
『了解!』
『シュオオオオ』
太一はそう言うと両拳に纏う炎の出力を強めていく。
ーー大和小隊無線にて
ー(大和)先輩がぶん殴ったら、私と春一でコマンダーへ斬りかかる、そしたら舞もコマンダーの心臓を打ち抜け
ー(舞)了解です
ー(春一)春一、了解です
ー(大和)よし全員、先輩の動きから目を離すなよ
ー(大和小隊一同)了解!
「グォォオオ!!」
攻撃の気配を察知したコマンダーゴブリンは、太一へと突進を始める。
「そっちから来てくれるとは行く手間が省けて助かるよ、焼き尽くすぜ【奥義】バーニング・インパクトォ!!」
『バコォォン』
「ウガァァァ!!」
太一の魔炎を纏った一撃はコマンダーゴブリンの腹に命中し、巨大な火柱が腹を貫いた。
「春一!」
「はい大和さん!」
「ウガァァァ!!」
腹を焼かれた事によりよろけるコマンダーゴブリン。
そしてそんな隙を大和と春一は逃すはずもなく、両サイドから攻撃を仕掛ける。
ーーチャット欄にてーー
"ぬおおおお!!おっさん強え!!"
"スキルミックスってなんだよ!チートすぎるだろ"
"おっさん頼りになり過ぎだろ!"
"この配信見れて良かった、ソロキャン侍登録してくるわ"
「いくよ【ムラクモ】"乱れ喰い"」
「凍てつきの破壊を教えてやれ【アイシス・インパクト】専用スキル"アイシスブレイク"!!」
『ズバッ』
『パキィン』
両サイドから上位攻略者の攻撃を受けるコマンダーゴブリン。
「ウ、ウガァァ」
『ドスッ』
そしてコマンダーゴブリンは、とうとう片膝をついてしまう。
「舞、距離210だよ」
「了解です八木さん!いくよ【アルテミス】、"月光弾"!!」
『ズドォン』
丹波の専用武器【アルテミス】から放たれた白い弾は、流星のような強い光を放ちコマンダーゴブリンへと向かっていく。
「ウガッ?」
『パァン!』
放たれた弾丸は見事にコマンダーゴブリンの心臓に命中した。
「ゴフッ」
『ドサッ』
そうしてコマンダーゴブリンは、そのまま意識を失い前方に倒れてしまった。
「ふぅ、なんとか倒せたな」
「お疲れっす先輩ー!」
「おう大和」
ーーチャット欄にてーー
"か、勝ちやがった"
"これがガチ攻略というやつか"
"上位攻略者の本気の戦闘、アツすぎるだろ"
上位攻略者の戦闘を見れて湧き上がるチャット欄。
そうして同接はついに5万人を超えていくのであった。




