30話 連携
ーー未開拓ダンジョン、80層
ーー大和小隊無線にて
ー(舞)こちら丹波、大和さん狙撃ポイントに着きました
ー(大和)了解、舞はそのまま奴の頭を狙ってくれ
ー(舞)かしこまりました
ー(安達)大和さん、私はどうしましょう?
ー(大和)美玖は、このまま中距離で私と春一の援護を頼む、春一はムラクモにスキルを装填して待機、舞の狙撃のあとに私と突っ込むぞ
ー(春一・安達)了解!
「先輩ー!これから狙撃が来るんで、そしたら私ら一緒にコマンダーゴブリンに攻撃してください!」
「ああ、わかった」
太一はそう返事をすると、コマンダーゴブリンへとゆっくり歩き出す。
「【リミットボーナス】解放、スキル名"剛拳"」
『承認しました』
『ゴウッ』
スキル"剛拳"により、光だす太一の両拳。
「グォォオオ!!」
攻略者達の不穏な気配を察知したのか、コマンダーゴブリンは大きな声を上げ目の前にいる大和達や太一を威嚇した。
ーーチャット欄にてーー
"は、始まるぞ"
"上位攻略者チームのコマンダー討伐だ"
"か、神枠"
"私もいますよ、千川氏"
ーー大和小隊無線にて
ー(大和)舞、今だ狙撃しろ!
ー(舞)了解!
ー(大和)安達は舞が狙撃したら間髪入れずにバズーカをぶち込めよ、春一!私の後ろにつけ!
ー(春一・安達)了解!
「【リミットボーナス】装填、スキル名"月光弾"」
『承認しました』
『ガコンッ』
「行きますよ皆さん、八木さんマーカーをお願いします!」
「わかった!」
『ピッ』
丹波の隣に立つ八木はスポッターのような役割をしており、丹波が狙いやすいようにコマンダーゴブリンの頭にレーザーポインターを射出した。
「距離250だよ舞!」
「了解です、ぶち抜けアルテミス!!」
『ズドォン』
アルテミスから放たれたスキル"月光弾"は、白い光を放ちながら、コマンダーゴブリンへと一直線に向かっていく。
「きたか!安達、バズーカだ!」
「了解!いきますよー、ファイアー!」
『バコォン』
そうして安達もコマンダーゴブリンへ向け、バズーカを放つ。
『パァン』
「ウガァァァ」
丹波の放った弾丸はそのままコマンダーの頭をぶち抜き、コマンダーは大きな悲鳴を上げた。
『ズゴォン』
そして間髪入れずに安達の砲弾がコマンダーの足へと命中する。
「ウガァァァ!!」
「いくぞ春一、私らは側面からいくぞ!」
「え、正面じゃないんですか?」
「バカ野郎、正面は先輩がいるじゃねぇかよ」
大和の言葉通り、コマンダーゴブリンの正面には両拳が金色の光を放つ太一の姿があった。
ーーチャット欄にてーー
"他の攻略者を差し置いて、このおっさん正面に立ってるぞ"
"一体、何者なんだよこの人"
"千川太一、元SSランク攻略者でその二つ名は攻略の鬼"
"攻略の鬼?"
"そう、どんな難関なダンジョンでも絶対に諦める事なく攻略する、当時最強とまで言われた攻略者"
『ギュオオオオ』
「大和と春一君が側面に行ってくれたお陰で、正面はコマンダーのみか……全力でやれそうだな」
そう呟くと太一は、二つ目のスキルの準備を始める。
「【リミットボーナス】解放」
『かしこまりました、IDをどうぞ』
「スキル名"魔炎"」
『承認しました』
『ボウッ』
そうして剛拳の上から重ねがけされるスキル魔炎。
「【スキルミックス・剛拳ver.魔炎】」
『ズオオオ』
太一がそう言うと一気に両拳の魔炎は大きくなっていく。
「さぁて準備はできたぜコマンダー野郎、ソロキャン好きおっさんの奥の手、とくと味わってくれよ」




