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20話 80階層!?


ーー未開拓ダンジョン、??階層


 『ゴゴゴゴゴ』


 階層変動を始めて20分、俺達はまだ下の階層へと落ちていた。


 「い、いつまで落ちるんですかー!」


 俺にしがみつきながら美味姫さんはそう叫ぶ。


 「わかりません!とりあえず俺にしがみついてて下さい!」

 「わわ、わっかりましたー!」

 『ガバッ』


 そう言って美味姫さんは俺に抱きついた。


 「ぬおおおおお!何してんだエロ親父!」

 「馬鹿野郎!何言ってんだ大和、お前も気を抜くな!」

 「先輩!私はあんたを見損なったぞ!」

 「勝手にしろ!」


 まったく大和のやつ、オタクをするのもいい加減にしてくれよ。


 『ズガァン』

 「つ、着いたみたいだな」


 落下する事22分。

 ようやく止まったみたいだな。

 しかし、ここは何層なんだろうか。


 『カチ』

 「あ!ダンジョン侍、スマホは通じますよ」

 「ソロキャン侍です、どうやら飛ばしたドローンはまだ生きているみたいですね」


 良かった、電波が生きているのはありがたいぞ。

 てか大和はどこ行ったんだ?


 「先輩ー!」


 その時、少し離れた大岩のてっぺんから大和の声がした。

 あいつ、いつの間にあんな所に登ったんだ。


 「どうした大和!」

 「かなーりやばいかもです」


 そう言って大和はスマホの画面を俺に見せてきた。

 なんだよ急にやばいって。

 俺はそう思いつつ大和のスマホに視線を向けた。

 

 「……"現在の階層80階層だと!?"」

 「お!先輩その距離からこの文字見えたんスか、流石っすね!」

 「言ってる場合か!80階層ってお前……」

 「ええ、一般的な難関ダンジョンの最下層ですね」

 「まずいな」


 ダンジョンは下がれば下がるほど、モンスターの強さが上がっていく。

 25層から50層くらいまでなら、今の装備でも問題なく倒せるが、80層にもなればさすがにフル装備で来ないと無理だ。

 仕方ない"輸送ドローン"を使うか。


 『ガサゴソ』


 俺はリュックサックの中から、大きなドローンを取り出した。


 「お、先輩良いもん持ってますね」

 「まぁな」


 輸送専用ドローン"ビックベアー2"最大30キロまで輸送可能であり、これを使い家にある攻略者時代のダンジョンセットを持って来てもらうのだ。

 ちなみに俺のリュックサックは、ダンジョンライフという会社の最新式のもので、中に10畳ほどの広い空間がありそこに道具を格納できる4次元式の便利アイテムである。


 『ブオーン』

 「じゃあ頼むよ」


 そう言って俺はドローンを上階層に飛ばした。


 「先輩、あのドローンってどれくらいで戻るんですか?」

 「うーん、80階層だから早くて1日、長くて3日くらいじゃないかな」

 「3日ですか……」


 俺がそう話すと大和は少し難しそうな顔を浮かべた。


 「どうした大和?」

 「いえ、正直こんな下層まで落ちちゃったので、私のチームとの合流は中々厳しくて、先輩の戦力を正直言って当てにしてました」

 「まぁそうだよね、チームとは連絡取れそう?」

 「先輩のドローンがあるので大丈夫です、ただ、向こうも私達と同じように落ちているとも限らないので……」


 そう言うと大和は柄にもなく暗い顔を浮かべた。

 まずいな大和のやつ若干精神がやられてる感じか。

 ダンジョン攻略において、メンタルの疲弊はその後の活動効率を下げる要因になるし、早めにケアしとかないと。


 「大和、ひとまずチームチャットで皆んなの居場所の把握と自身の居場所を伝えるんだ」

 「先輩……」

 「いいかい大和、ダンジョンっていうのはこういった不測の事態なんて日常茶飯事なんだ、だから落ち込んでいる暇なんてない、だから大和は早く連絡を頼む、俺はセーティーツリーの前にベースキャンプ作るから」

 「了解です!」


 そう言って俺は、先ほどまでいたセーフティーツリーの近くに戻り、ベースキャンプ作りを始めた。


 「ソロキャン侍、凄く良い指示出しでしたね」

 「美味姫さん」

 「的確な指示だったと思います、私にも手伝える事があったら言って下さいね」


 そう話すと美味姫さんは優しく俺に微笑んだ。

 

 「ありがとうございます!では美味姫さんは俺と一緒にベースキャンプ作りをお願いします」

 「了解です!」


 

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