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2話 疑惑のダンジョン

ーーチャット欄ーー


 "おつかれー"

 "やっぱし強えー"

 "いきなりドラゴンとか驚き!"


 「ありがと皆んな、映像の方はどうだったカメラの位置とか大丈夫だったかな?」


 "ばっちしでした!"

 "臨場感最高でした!"

 "初手ドラゴンとか、どんなダンジョンだよ!笑"

 "だよね、ドラゴンってこんな上層階にもいるの変だよね"


 お、やっぱり皆んな怪しんでるな。

 だよね、おかしいよね。

 普通の1層なんて、基本モンスター無しか居てもスライムや無害なダンジョンラビットくらいだもん。

 このダンジョン、もしかして普通じゃないのかも……。


ーーチャット欄ーー


 "千川プロ、やはりなにかおかしいですよ"

 "ちなこのダンジョンどこなの?"

 "わかる、めっちゃ気になる"

 "とりあえずだが、公式ダンジョンでは無い事は確かだぞ"


 あー、まずいなダンジョンの特定が始まっちゃったよ。

 でもまぁ、見つかるわけないか。

 そう今来ているダンジョンは、俺が自分家の近所で発見したなんて事のないダンジョンなのだから。

 でも、公式に無いなんてそんなことあるのか?

 今日本に未攻略のダンジョンがあるなんて聞いた事ないし、このダンジョンもおそらく誰かに攻略されているはず、だったら公式に載っていてもいいはずなのにそれが無いとは……。


 「皆んなごめんよ、場所は言えないんだ、1層にドラゴンは出るし、まだまだ奥に何が潜んでいるかもわからない、そんな危険なダンジョンの場所は非公開にしておくのがルールなんでね」


 俺は見ている視聴者に向けてそう説明した。

 もしかしたらこのダンジョンは、攻略者組合がまだ危険度を査定していない、もしくは査定中のダンジョンなのかもしれない。

 それなら公式に載ってないのも納得できる。

 まぁそんなダンジョンに入ってしまって申し訳ない限りなのだが、1層がこんなだと2層も気になってしまう。

 もしも2層にもっと危険なモンスターがいたとするなら、それも含めて査定時には気をつけるようにと組合に忠告しないといけないし。


ーーチャット欄ーー


 "ごめんなさい千川さん"

 "すまぬ千川プロ"

 "まぁ、こんな危険なダンジョンの場所なんて配信で言えないよな、すまん!"


 皆んな……。

 俺の視聴者の中には、長い事見てくれている古参勢が多い。

 そのためそうした人達は、俺のやり方や性格を熟知していてくれるから、めっちゃ俺に配慮してくれる。

 わかってくれて嬉しいよ。


 「いいんだよ皆んな、それよりもこれからの事なんだけど、もうちょっとだけ奥に進んでみようかなと思う、もちろん財宝目当てとかじゃなくて、後で攻略者組合に報告するときのためにもう少し詳しくこのダンジョンを調べておきたいんだ」


 "りょ!"

 "さすが千川プロ!組合の事まで考えてるなんて!"

 "気をつけてね、千川さん"


 ありがと皆んな。

 ソロキャン目的で視聴してくれてるのに、なんだかんだ皆んな見続けてくれてる。

 てか最初より視聴者増えてるし……新規が入ってきてくれるのは嬉しいんだけど、配信荒れないといいなぁ。

 現在視聴者数250。


 「助けてー!!」

 「え?」


 そのとき、1層から2層へと降りる階段の下から女性の悲鳴のような声が聞こえた。

 やっぱり人がいたのか!

 もしかして組合の人なのかも。


ーーチャット欄ーー


 "女の子の声?"

 "嘘、悲鳴?"

 "事件の匂い……"

 "千川プロ!"


 「うんわかってるよ皆んな、もちろん助けに行くさ、でも待ってねその前にこれをっと」

 『カチッ』


 俺は持っていたGoProの電源を入れた。


 「さぁ皆んな、ダンジョン探索の時間だよ」


 そうして俺は配信をつけたまま、2層へと向かうのだった。


 

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