15話 ゲテモノ料理の作り方
ーー未開拓ダンジョン、25層にて
『ドサッ』
「ふぅ、これでさらに美味しくなりますね」
「え、えっとぉ……」
七味全かけの焼きキノコか。
まず俺は食べた事ないけど美味いのだろうか。
健康的には害しか無いように見えるけど。
『モキュッ』
「うーん、美味です!!これは私の好きすぎる味やもしれませんな」
そう話す美味姫さんの表情は、まさに恍惚を具現化したような顔だった。
う、美味いのかそれ。
七味の味しかしないのでは。
まぁ何にせよ美味いならよかった。
「好評みたいでありがたいです、では次の料理いきますね」
『サーッ』
俺はそう言ってフライパンの上にオリーブオイルを引き明かりダケをその中に加え、弱火で炒め始める。
「んー、良い香りですね」
「ありがとうございます、ではこのまま醤油を少々かけて、あとさっき拾ったダンジョンパクチーなんかを加えておきますね」
「ほほぉ、ダンジョンパクチーですか、面白いですね」
美味姫さんはそう言って顎に手を置いて、ふむふむと頷いた。
やはり美味姫さんはパクチーいける人だったか、まぁゲテモノ喰らいと自認しているわけだしこれくらいはいけるだろうと思って、作ってるんだけどね。
「この2つをいい感じに和えつつ、にんにくなんかも良い感じに加えます」
「おお!素晴らしい、オシャレなゲテモノ料理ですね」
「そ、そうですかそれはどうも」
美味姫さんはどうやら俺の作ろうとする料理を気に入ってくれている様だ。
ちなみにダンジョンパクチーは、可食性の植物なので美味姫さんが食べても特に問題はない。
「では盛り付けますね」
『ササッ』
そうして俺は出来上がった明かりダケのパクチー炒めをさらに盛り付けた。
ーーチャット欄ーー
"食べれないけど、美味そうだな"
"普通にうまそう"
"さすがは千川プロ"
"ほんとに美味姫いるじゃん!"
良かった、視聴者の皆んなも気にいってくれたみたいだ。
にしても気がついたら同接が5000を超えてきたな。
これも美味姫さんの力なのだろうか。
「これは美味しそうですなソロキャン侍、さてさてどうして食べてやろうか」
「普通に食べてください、視聴者の皆んなも美味しそうに見えるけど明かりダケは毒性の強いものだから、真似しないようにね」
ーーチャット欄ーー
"了解です!"
"千川プロの言うことなら聞きますよ!"
"美味姫嬉しそうだな、このおっさんゲテモノ料理の才能があるのでは?"
"優秀な人材だ、美味姫の専属料理人を務めてほしいな"
どうやらチャット欄には、俺のファンと美味姫のファンが混ざってるみたいだ。
にしてもゲテモノの料理の才能か、そんなのないし、いらないんだけど……。
『パカッ』
そう思いつつ俺は持ってきた土鍋の蓋を開いた。
「あら、何をしているのですか侍さん」
「あ、俺のことは気にしないで食べててください、その間に3品目を作るので」
「ほほう3品目ですか、それは気になりますな、してその3品目とはなんですかな?」
「炊き込みご飯です、明かりダケの」
「た、炊き込みご飯!!」
そう言って美味姫さんは嬉しそうに両頬に手を置いた。
そんなに嬉しそうにされても、明かりダケ入りだから毒料理なんだよね。
そう考えつつ、俺は炊き込みご飯の仕込みを始めるのだった。




