第八話 コンビで悪霊軍団に立ち向かいます
できるだけの悪霊たちを消すために、田無たちは戦うが・・・
そして、夜が明けて、表の仕事が始まる。
昼夜生活は、残業みたいなものだと思えば、すぐに慣れる。
まあ、今日からサーバ機器の運び入れと設置が始まるので、俺は指示するだけ。
設置と配線は俺以外の担当で、ネットワーク配線は俺が来る前に建物中に配線されているため、それを繋いでいくだけ。
電源配線も完了しているので、あとは俺以外の者が電源を繋いでいくだけ。
俺の担当は、統合デスク。
サーバの管理やデータ統合と、壊れたサーバ機器のエラー情報表示まで統合されているので、ここが完成すれば軍衛隊の守備砦……というか、ここまでの規模だと、要塞と言ったほうが良くない?……として万全の機能が使えるわけだ。
とりあえず、サーバ機器の設置と配線、そして最後の確認までに、正味10日間。
それが終わると俺以外、この島に派遣されてきた技術者と助っ人たちは、この孤島から本土へ帰っていく。
彼らが帰ると、その入れ替わりとして、アシスタントの蒼月さんが来た。
「お久しぶりです、田無さん。今度の仕事も、やっぱり厄介なんですね」
「正解。それも、今回は特に酷いと思う。蒼月さんと俺のコンビでも、下手するとダメかも知れん」
「ええっ?そんな最悪の霊現象、どうしようと言うのかしら?私達で対処できないとなると、それこそお国の対応部隊が来るしかないのじゃないかしら?」
そんな会話を交わしながら、俺達は夜を待つ。
機器のハードウェアに関しては、もう後少しで完了。
ただ、俺達の仕事は、これからが本番。
「昼の仕事に関しては、あと数日もかからない。蒼月さんは、昼は動かなくて良いので、できればこの島の役場とかで、悪霊たちが発生した原因、激戦地となった歴史を調べてほしい。何か対応できるようなヒントがあるかも知れない。まあ、なくても一緒だから、気楽にお願いするよ」
さて、夜も更けて、悪霊退治コンビの、この件での最初の夜が始まる。
最初は、怨霊になる前の霊集団。
これは、蒼月さんで対処可能だろうとお願いしたら、スタスタと浜辺まで歩いていき、水際で大量の霊に対処できてた。
蒼月さんは立ってるだけ。
動物守護霊たちが一斉に、襲いかかってくる霊たちを攻撃し、またたく間に数十体の霊を消滅あるいは昇天させている。
ただし、ある程度の霊力を蒼月さん自身も放出しているのか、だんだんと疲労が蓄積しているのが見える……これは俺にはオーラが見えるため。少しづつ、オーラの輝きが薄れていくのだ。
「蒼月さん、そこまでです。俺と交代しましょう」
「はい……悔しいですが、これ以上は無理と自分でも思います。低級霊たちの大半は消しましたので、すいませんが後はお願いします」
蒼月さんが、息を荒くして引き上げてくる。
「お疲れ様。これ以降は俺が引き受ける」
俺は蒼月さんの後を引き受けて、浜に向かう。
確かに低級霊の大半は、蒼月さんの守護霊たちに消されている。
俺は残る低級霊たちを次々とパンチ一発で消していく。
低級霊の大半が消されると、時間帯が変わったのか、怨霊たちが出てくる。
さすがにパンチ一発とはいかないが、ある程度のパンチとキックで怨霊たちも消えていく。
ただ、さすがに数が多すぎる。
俺は、明日の作業に影響のない時間だけ、怨霊に対処する。
そして、祟り神の出現時間に近くなると、俺も引き上げる。
「あの……田無さん?どうして、あの凶悪そうな霊に対処しないんですか?」
ある程度強い霊になると、蒼月さんにも見えるようだ。
「んー……残念だけどね。あのクラス、祟り神の類になると俺の力が通用……しないわけじゃないが、あまり効かないんだよ。だから、今はそれ以外の怨霊クラスまでの対応に力を注ぐことにしたんだ」
それからは、表の仕事が完全に終了するまで、俺と蒼月さんは低級霊と怨霊たちまでを相手にする。
そして、総務部長には、人名リストにあった山本某さんに連絡を取ってもらい、こちらに是非とも来てほしいと要望。
そうでもしないと、俺達の能力では、とても相手のできないレベルの霊たちがいると報告しておく。
総務部長からは、少し時間がかかるけど、割と近くの会社なので、至急、そちらへ向かってもらうようにするよと返事をもらう。
「田無くん、その山本くんには期待してもらって良いぞ。彼の能力は、とてつもないものらしいからな¥
どんな人が来るのやら……期待半分で待つとしよう。




