第六話 最悪案件へ向かいます
さて、主人公は件の島へ向かいます。
そこで、お国が裏の霊現象対策に来ない理由も判明。
「それじゃ、行ってきます。報告などは、この島だけ例外措置でスマホが使えるようなので、毎日の作業報告と、キリの良い時点での進捗状況をお送りします」
俺は、あっさりした出張姿で、例の孤島へと出かける。
軍衛隊のおかげで、俺や他の作業員にも、三食と宿は確保されている(ただし、二ヶ月間だけ。それ以降は俺だけ島に残り、インストールや修正、調整作業を行う)
裏の仕事についてだが、表と同じようなスケジュールとは行かないのは決定済みなので、表の仕事が一段落してから、つまり2ヶ月後の夜から開始となる。
一番近くまで行ける航空定期便がある島まで飛び、後はヘリ便か、それとも定期便がある船で渡るんだが……
「この交通スケジュールがメチャクチャで、飛行機が着いた時にはヘリ便は飛ばなかったり、船便も最終便が出ちゃった後だったりするので、結局、5日もかかったよなぁ。あいにく、この島までネットは通じるが、ここを出たら、例の島まで行かないとネットが使えない……課長には伝えてあるが、これは最初から躓いたか?」
はぁ……結局、それから2日もかかって、ようやく孤島へ到着。
到着後、すぐにネットは使えるようになったので、相手先である軍衛隊へ到着を知らせるとともに、課長や総務部長へ到着報告をする。
まずはリーダーが打ち合わせ、ということで、施設管理責任者である某少将を交えて、今後のスケジュールを相談する。
「君がサーバシステムの構築とインストール、調整まで行ってくれると聞いている……例の件も、君が主たる担当でよろしいか?」
「はい、私、田無が担当することになっております。ただ、相手次第ですが、もうひとりアシスタントが来るかも知れません」
用意してきた組織図と、担当者一覧を相手先に渡す。
予定、ではあるが、その中にはアシスタントとして蒼月さんの名前もある……しかし、そこには見知らぬ名前も、予定として載っていた。
「この、山本某さん、私は寡聞にして知りませんが、アシスタントでも対応がキツイようなら、うちの本社から相手先の会社へ救援要望を入れてもらい、この山本さんが、こちらへ来る予定になっております」
で、俺は、この場だけということで質問させてもらう。
「少将殿、一つ質問を。この件、なぜに我社のような中規模会社に?表の物件規模もそうですが、裏の依頼としても、お国の怨霊対策組織が動く規模ですよね?」
問われた某少将殿、渋い顔を隠さずに答えてくれる。
「それがな……情けない話ではあるが、うちの内部で動かせる霊現象対応組織……個人では動かせないんだよ。この手の案件は、いと高きお方、やんごとなきお方の一命が必要なんだと。防衛基地とデータサーバ構築、**諸島島嶼防御の案件としてなら表の予算で動けるし、そのために部隊も動かせるんだが……あの裏組織、陰陽案件対応部隊だけは、やんごとなきお方の直属なんで、許可を取るのも一苦労なんだ。それこそ、この島へ、やんごとなきお方が視察や慰霊のために訪れるとかするなら、そのついでに裏部隊も動かせるんだがなぁ……」
これで、お国が裏案件に動かない理由が分かった。
??直属部隊であるのなら、そりゃ軍衛隊が口を挟めない。
しかし、俺が、ここまで酷くなった悪霊、祟り神に対して、力が及ぶかどうか……
でもって、蒼月さんが加わったとして、その守護霊たちの力も通用するのか?
もしかして、俺も知らない、あの担当者表にあった予定者の山本某さんが、この案件の秘密兵器かも知れない。




