↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
78/84

第78話

「琴ちゃん!」

 先に声を出したのは姫花だった。

 まさみが叫ぶ。

「おまえ、なにをしたんだい!」

「イメチェン」

「ふざけんじゃないよ!」

 姫花が呟く。

『やっぱり、そうなんだ。あんな奴らさえも変えてしまえるなんて・・・すんごい隠《かくし》シェアマインド』

 琴実はこの土壇場で禁忌《きんき》技を使った。ここで使わなければ誰の命も助からない。そのためにハルが生み出した秘奥義なのだから。

 琴実はバットと佐古丸の光の波動を操作した。彼らの怒と憎の色を狭め、愛と哀の色を増幅させた。そのことによりバットと佐古丸の極悪非道性を消し愛と哀しみに溢《あふ》れる篤実《とくじつ》な男に変貌《へんぼう》させたのである。

 琴実は彼らにオヤブンの救出を依頼した。心優しくイメチェンに成功したバットと佐古丸はオヤブンを釈放し、その後琴実も自由にした。

「これ以上、人を殺《あや》めるなら、あーたも変らんといかんばい」

「なにをわけのわからないこと言ってんだい。変わるのはおまえたちだよ。ここに来た以上逃げられないんだ。心を入れ替えて働くしかないんだよ」

「心を入れ替えるんはあーたの方たい」

 琴実がまさみの意識下に飛び込み、光の波動を操作した。それはあまりに一瞬のことだった。

 次にまさみが見せた表情を、姫花は見逃さなかった。

『べ、別人みたい・・・』

 まさみの柔和な笑顔に、姫花ははじめて渋谷の店を訪れた時を思い出していた。雅臣と一緒に笑いあった日のことだった。

 琴実が呟く。

「ここから出てもよかと?」

 まさみが言った。

「も、もちろんだとも・・・」

 琴実たちに道を譲るようにまさみが後退《あとじさ》る。その表情には後悔に引きずられる懺悔《ざんげ》と過去の大いなる精算を持て余すやり場のなさがあった。

 姫花と琴実がその表情に解放を見たその時、

「誰が逃していいと言った」

 まさみの背後から男の声がして、直後銃声が鳴った。まさみの額から血が噴き出していた。

 まさみが前のめりに倒れた。その背後に立っていた姿に、

「あ、あなたは!」

 姫花が叫んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。