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第67話

「琴実もいなくなった!?」

 オヤブンが叫んだ。

 次の日、出勤してこなかった琴実を案じて姫花はオヤブンに相談した。

「帰りは一緒やなかったんか?」

「うん、実はね、二人で決め事してたのよ」

「なんの?」

「しばらくはね、二人で行動しないって」

「なんでまた?」

「同時に狙われると、向こうの思う壺でしょ」

「ほんであいつ一人で行動しよったってことか」

「たぶんね。でもさ、周でしょう」

「そうやわな」

「きっと彼女をつけて行ったんだわ、そこで何かあった・・・」

「ありそうなこっちゃ、ほんじゃ、こっちも周をあたってみっか」

 二人は人事課に向かった。

「来てないわよ!」

 村上に周のことを尋ねるとお冠《かんむり》だった。彼女も欠勤しているのだろう。

「なにかあったんですか?」

 姫花が訪ねると、

「あなたね、近頃、人のこと詮索《せんさく》し過ぎでしょ。自分の仕事できてるの!」

 と、とばっちりをくらった。


 姫花は言った。

「こうなるともう方法は1つしかないわ」

「やるんか?」

 オヤブンにはもう話している。この技のことは。

「直接本人に聞くしかない」

「大丈夫なんか、姫ちゃんまで使って」

「そこでお願いなんだけど、わたしがシェアマインドしている間、オヤブンにカラダ預けるから、わたしのカラダ守っていて」

 姫花は、もぬけの殻になる身体《からだ》をオヤブンに警護《けいご》してもらうつもりで言ったのだが・・・。

「聞きようによっちゃそれ、えらい誤解うけるで」

 にやけるオヤブンに、姫花はpetit(プチ)切れた。

「な、なにいやらしい想像してるのよ!」

「おお、すまん、すまん姫ちゃん」

 オヤブンは姫花にひれ伏した。


 二人は都内の公園に向かった。不特定の人が行き交う公共地の方が無難だと思ったからだ。そこの一角にあるベンチに腰を下ろし、

「琴実探してくる」

 姫花はシェアマインドに入った。オヤブンは隣で見守っている。

 と、その時、樹木の陰から男が二人、こちらを伺っていることにオヤブンは気づいた。

「ん?」

 オヤブンは立ち上がって目を凝《こ》らす。気づかれたと思って男たちは樹陰《じゅいん》から姿を現した。見れば、隠しようもないほど特徴のある男たちだった。一人は長身のアフロヘアの黒人男性。もうひとりは上半身肩の筋肉の発達した小太りの男性。そう、雅臣を半殺しにしたあのバットと佐古丸だった。

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