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シェアマインド 〜黄色い空と甘いスモークチーズ〜  作者: 水無月はたち
Chapter8「異なるものを受け止める」
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23/84

第23話

 チャンスとみて姫花は追い詰めた。

「し、清水から聞いてね」

「オヤブンから?」

「ああ」

 雅臣は返事を短く切る。

「本人じゃなく?」

 姫花は核心に迫る。

「ち、ちがうよ」

「ふ〜ん恐いわね、社内情報は」

 姫花は冷たく笑った。

 ここまで追い込んでおけば、きっと雅臣の頭の中には琴実でいっぱいのはずだ。

 いまがチャンスだと姫花は思った。

「お化粧室行ってくるわ」

 離れた場所から覗くほうが無難だ。

 姫花は化粧室の便座の蓋の上から腰掛け意識を雅臣に飛ばした。

 姫花は雅臣にシェアマインドしている。

 最初に感じたのは雅臣が思った以上に酔っているということだ。同じ量のビールしか飲んでいない。が、酔いは人によって違う。姫花はいま雅臣の酔いをシェアしている。

(わたしもなんだかたくさん飲んだ気分だわ〜)

 だが酔っ払っている場合ではない。酔いに任せてガードが甘くなっている彼の心を探らなければならない。

 雅臣の心の声が聞こえてくる。

『やばいな、感づかれたかな?』

(何をかな?)

『琴実にアプローチしていること』

(やっぱり・・・)

『姫花に喋ったんじゃ・・・』

(喋らなくてもわかっちゃうのよね)

『弱ったな』

 苦し紛れに雅臣がスモークチーズを口に放り込んだ。

(んっ!)

 姫花は驚いた。

(甘い!?)

 なんと雅臣が食べたスモークチーズが甘かったのである。

(ほ、ほんとに?)

 姫花は食べた物を再確認した。確かにスモークチーズだった。

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