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シェアマインド 〜黄色い空と甘いスモークチーズ〜  作者: 水無月はたち
Chapter8「異なるものを受け止める」
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第21話

 試合は2対1で渋谷ガールズアイルが辛勝した。

 振り返ってみれば、オヤブンの言ったとおり、周の球をまともに打てたのはあの技能実習生だけだった。つまり1安打1失点で周は抑えたわけである。それよりも驚くべきは攻撃面だ。琴実のあのサヨナラヒットは奇跡に近かった。

 試合の翌日、オヤブンはメンバー全員にねぎらいのメールを送った。

「みんなごくろうさん! このチームやったら全日本女子軟式野球大会で出れるで!」

 と、たいそうご機嫌だった。しかしまさか全国大会まで持ち出すなど、のぼせあがりもいいとこだと皆誰もこれを無視したが、冴子だけは、

「やれそうな気がする」

 と根拠のない自信をみせた。

 姫花はというと、よほど、

(焼き肉とチョコパフェおごるんじゃなかったっけ?)

 と返したかったが、シェアマインドで知り得た情報なのでやめた。

 そんなことより雅臣と琴実のことである。二人の関係である。

 いけないと思いつつ、姫花は業務中に何度か琴実にシェアマインドを試みた。何か雅臣とのことで自分の知らない秘密を掴《つか》めるかもしれないと思って。しかし彼女は今朝からそれどころではなかった。

 本日の遠藤の生贄《いけにえ》が琴実だったからだ。琴実の業務にいちいち難癖をつけていた。

 この日はまた特別遠藤の機嫌が悪かった。理由は昨日の試合、自分だけ蚊帳《かや》の外だったというみたいだ。その腹いせに琴実が彼の標的になっていたのだ。

 なので、琴実から業務以外の情報は何も引き出せなかった。

 ならばと、姫花はもうひとりの対象に接近を試みようとした。琴実に褒めて欲しいとまで言わせたぐらいだから、きっと彼にも何かやましいことがあるはずだ。

 が、遠藤のご機嫌が斜めなのでうかうかとできなかった。いつ自分に飛び火してくるかわからないからだ。

 ということで、姫花は今晩彼を誘い出すことにした。

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