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第57話_二人のカートリッジシステム

――カエデ視点


離れたビル屋上。

私は夜空を飛び、静かに着地した。


そこにいたのは――黒い魔導士。

挿絵(By みてみん)


黒衣。

黒のマント。

紅黒メッシュの髪。


隠されているが分かる、

異常な魔力。


私は小さく問いかける。

「……私を、呼んだ?」


男は振り返り、軽く笑った。


「あぁ。

 お礼を言いたくてな」


「……お礼?」


「二年半前の夏。

 奥多摩の山奥で、アリスとエリザを助けてくれただろ」


「……あの時の……」


中学時代の林間学校。

二人の魔法少女を助けるために動いた。


そのことを言っているのだと分かった。


不思議な人だった。


近くにいるだけで分かる。

魔導書が警告してくる。


――強い。

底が見えない。


膨大な魔力。


それなのに。

不思議と怖くない。


むしろ――。


私の感覚は、

“危険ではない”と告げていた。


男は夜の市街地を見下ろす。


視線の先では、

レギとシエルが戦っている。


「それと――

 アリスとエリザとは戦ってほしくなくてな」


静かな声。

「だから、呼んだ」


「アリス……エリザ……」

銀色と紅色の魔法少女。


今も家族と戦っている二人。


私は男の隣へ座った。


男は言う。

「心配しなくていい。

 家族に危害は加えない」


「……」

やっぱり、不思議な人。


敵なのか味方なのかも分からない。


でも――。


少なくとも、

嘘を言っている感じはしなかった。


私は隣で、

戦場を見下ろす。


黒の魔導士との、

奇妙な夜の出会いだった。


 

――

――――


「奥義――

 《巨震崩壊デトネーション・ストライク》!!」


レギの巨大ハンマーが、

赤黒い魔力を噴き上げる。


同時に――。

「奥義――

 《蒼刃一閃アズール・ブリッツ》」


シエルの長剣へ、

蒼い閃光が奔った。


二人同時。

守護騎士の奥義。


空気が震える。

圧倒的な破壊圧力。


「来ますわっ!!」

エリザも叫ぶ。


「クリスタルハート!!」


《Trust me, my master》


――ガシャン。


《カートリッジシステム》の

重い装填音。


アリスのデバイスユニットへ、

装填される。


一発。

今の安全ギリギリの魔力圧縮。


同時に――。

「アストラペ!!」


《Your Majesty》


――ガシャン。


エリザのデバイスからも、

同じ装填音が響いた。


二人同時。

挿絵(By みてみん)


魔力が跳ね上がる。


アリスの《星環の魔紋》が、激しく光、展開される。

銀色の魔力が、

夜空を染め上げた。


エリザの《雷光王冠ライトニング・クラウン》が、

紅雷を撒き散らしながら展開される。


「――《星界穿スターライト・ブレイクピアース》!!」

挿絵(By みてみん)


「――《スカーレット・スナイプ》!!」

挿絵(By みてみん)


星銀。

紅雷。


二つの輝きが、

真正面から守護騎士の奥義へ激突した。


――轟音。


魔力と魔力が噛み合う。


銀。紅。赤黒。蒼。

四色の光が夜空へ炸裂した。


周囲のアスファルトが陥没する。


ビル壁面へ亀裂が走り、

衝撃波が市街地を揺らした。


「くっ……!」

アリスが歯を食いしばる。


押される。


守護騎士の魔力が、

想像以上に重い。


「まだですわぁぁぁっ!!」

エリザの紅雷が出力を増す。


火花。

閃光。


空間そのものが軋む。


強い。

本当に強い。

これが――守護騎士

オコジョ:祐司がセンスないマスクを外しただと…

作者( ゜Д゜):マント付きで、主人公もバージョンアップです。

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