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第47話_エリザの決意

――夏半ば。


エリザは、決意のこもった瞳で、ソファに座る人物と向き合っていた。


テーブルには、相棒であるデバイス『アストラペ』。

お母様から譲り受けた、大切な魔導デバイス。


時空管理局へ預けられていたそれは――ようやくメンテナンスを終え、戻ってきていた。


エリザは静かに口を開く。

「……お母様。わたくし、強くなりたいですわ」


その声には、迷いがない。


「もっと……もっと強く。

 誰にも負けないくらいに……」


脳裏に浮かぶのは、林間学校での戦い。


魔法騎士との実戦。


圧倒的な技量差。

経験差。

そして――自分の未熟さ。


痛いほど思い知らされた。


対面に座るのは、エリザの母――小早川ハラオウン。


魔法世界シルヴァリス・エリュシオン。

その世界において、最古より続く魔導王国。

その出身であることだけは、以前から聞かされていた。


だが――それ以上は知らない。


そして、今回。


時空管理局に『アストラペ』を預けた時、

向こうの技術者たちは、明らかに驚愕していた。


『アストラペ』は、ただのデバイスではない。


その事実だけは、理解できた。


(お母様の家って……)


(本当は、何者なんですの……?)


すると、母が穏やかに問いかける。


「エリザちゃんは、何のために強くなりたいの?」


「わたくしは……」

言葉に詰まる。


魔法生物を倒したい。

困っている人を助けたい。


どれも、本当。


けれど――今は違う、それだけじゃない。


胸の奥にある、一番大きな理由。

それを探すように、エリザは静かに目を閉じる。


そして。


「……友達を、助けたい」

ぽつりと零れた言葉。


「アリスを……助けたいのですわ」


――その瞬間。

すとん、と。


心の中で、何かが綺麗に収まった。


これが、自分の本心。

エリザは真っ直ぐに母を見つめる。


「わたくし、強くなって……

 アリスを守れるようになりたいのですわ」


母は、少しだけ目を細めた。

「……そう」


静かな声。

だが、その瞳には優しさがあった。


「分かったわ。

 私の魔力も、大分回復したし――鍛えてあげる」


「お母様……!!」

ぱっと、エリザの表情が明るくなる。


すると母は、くすりと笑った。


「ただし――私の修行は厳しいわよ?」


「お願いしますわ!

 お母様から魔法を教わるの、小さい頃以来ですわ!」


勢いよく頭を下げるエリザ。


だが、その直後。

母は何かを思い出したように、ふっと遠い目をした。


「……そういえば、本格的に教えるのは初めてね」


「お母様?」


「言ってなかったけど――」

悪戯っぽく、ウィンクする。


「私、昔は魔法騎士やってた時代もあるのよ?」


「…………え?」

固まるエリザ。


――話を聞けば


エリュシオン魔導王国の名門貴族家――シュタイン家の出身。


名家のお嬢様……。


魔法騎士……。

しかも、その言い方は……。


絶対に“普通”ではない。


――さらに話を聞けば


最終的には……

放浪生活。


各地での騒動。

暴れた回数は「両手じゃ足りない」。


……何をやらかしたのか。


怖くて深く聞けなかったですわ。


――そんな母が、静かに立ち上がる。


手に取るのは、『アストラペ』。


エリザの相棒。

だが今、その姿はどこか違って見えた。


母は静かに告げる。

「――アストラペよ、起動せよ」


機械的な高音のデバイス音声。

《Activation. Astrape online.》


一拍の静寂。

そして。


《Welcome… Your Majesty.》


「――――え?」

エリザの目が見開かれる。

挿絵(By みてみん)


魔導師ランク――S+。

かつて、部隊の最前線を担った武闘派魔導士。


“ストライカー級”と呼ばれた存在。

シュタイン家の令嬢が――静かに立ち上がる。


「ビシバシ、行くわよ!エリザちゃん!」


相談したことを後悔したかもしれませんわ……。


オコジョ:前回の水着回に何故登場させなかった!!!

作者( ゜Д゜):君は煩そうだからね!エビローグはもう少し続きます

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