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第45話_会議は踊る

――時空管理局・通信室


艦長は、感情を押し殺した声で告げた。

「……観察官オコジョ。これで報告は以上?」


通信越しの小さな影が震える。

『キュ、キュキュイ!(待ってください、艦長!

 止める暇なんてなかったんです!)』


『キュイ……(どうしようもなかったんです……)』


艦長は、わずかに眉をひそめる。


――理解はしている。

――理屈も通っている。


だが。

「……我々は時空管理局よ」


静かに、しかし重く言い放つ。


「局員が――

 魔導王城での“暴動”に関与したと見られる可能性がある」


本来なら――

転送ゲートの無断使用。

王宮に強く出る材料だった。


だが――


(王国は強かね……)


オコジョの件を逆手に取られれば、

すべて“相殺”される。


「……それにしても」

艦長は視線を落とす。


「地球出身の魔導士。成長が早すぎるわね」


――星属性。


エリュシオンにおいても、

歴史上ほとんど確認されていない希少属性。


(予測はしていた……でも)


「確定してしまったわね」

静かに息を吐く。


「王国の動きも気になるわね。

 観察官――地球任務の重要度を引き上げるわよ」


『キュイ……』

項垂れるオコジョ。


短い沈黙の後――

艦長は決断する。


「……いいわ」

その声は、先ほどよりもわずかに低い。


「私も地球に向かう。――直接、会いましょう」


通信は、そこで切れた。

挿絵(By みてみん)


原作よりも早い介入。


物語の歯車は――確実にズレ始めている。



――魔導王城・会議室


重厚な円卓。

その中心に座る王。


周囲には――

十二守護騎士のうち、六名。


その中で。

ガイとリンは、沈黙していた。


傷は癒えている。だが――

敗北の事実は消えない。


「……よろしかったのですか?」

軽い口調の好青年騎士が口を開く。


「今回の件、意見など聞かずとも――

 揉み消せたでしょうに」


視線はどこか緩い。

まるで緊張感がない。


その隣――

ウサギのぬいぐるみを抱えた少女が、


「……ん……」

半分、眠っていた。


「第三王女、と同じねぇ……

 星属性とは。」


艶やかな声。

妙齢の魔女風の女性が呟く。


一方――

白衣の女性が机に突っ伏しかけている。


「……私の魔導バリアが……」

ショックから立ち直れていない。


――三者三様。

挿絵(By みてみん)


統一感のない最高戦力。


だが。


誰もが理解している。


今回の件が――異常であることを。


沈黙していたベルガが、口を開いた。


「状況と、レーゼ王女の意志は説明した通りです」


冷静な声。


「彼女の望みを叶えること。

 ――こちらにも“利”があります」


王が、ゆっくりと目を開く。


「……星属性だ」


一言で、場の空気が変わる。


「そこまで重要なのですか?」

好青年騎士が問い返す。


王は頷く。

「ああ。重要だ」


静かに、重く。


「我が国が進めている“星外任務”――

 その中でも、“夜”の調査に関わる」


「……!」


空気が張り詰める。


「私やリンは……十二守護騎士に重用されて、まだ日が浅い」

「“夜”とは、一体……?」

好青年騎士が疑問を言う。


わずかな間。


王は考え――そして語る。


「原初の魔法……」


「魔法という概念、その起源に関わる存在だ」


誰も、口を挟まない。


「“夜”とは――」


…………

……


語られる“真実”。


「……そんなことが……」


誰かが、息を呑む。


知っていた者も。

初めて聞いた者も。


ただ、沈黙するしかなかった。


ベルガが続ける。

「“夜”を信仰する組織についても……最近、目立ち始めています」


王は頷く。

「ああ」


「民の間に流れている噂も、その一端だ」


「……“魔力に願えば、願いが叶う”」


一瞬の間。


そして――


「――そんな都合の良いものは存在しない」


断言。

揺るがない否定。


「“夜”の魔力――異界の魔力の痕跡――」


王は全員を見渡す。

「発見次第、即時報告しろ」


命令。

絶対の意思。


そして最後に。


「星属性同士の接触は――歓迎する」

「これは、決定だ」


会議は終わる。

オコジョ:願いが叶うっておかしいとオモッテタンダヨ!

作者( ゜Д゜):君は”噂を信じて”、魔力に願った側でしょ。

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