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第44話_林間学校の終わり

力による交渉――


……交渉、だったのか?


あの後、俺は冷静になり、オコジョ――時空管理局に対応を任せた。


(……なんか、王城の天井、壊しちゃったな……)


ぽっかりと穴の空いた天井を見上げる。


視線を横にずらすと――


「自由連合の、勝利なのじゃ!」


レーゼが拳を掲げていた。


アリスとエリザは、揃って苦笑い。


……やり過ぎは良くない。

下手をすれば、十二守護騎士が総出で来てもおかしくない。


(まだ出てきてない連中もいるしな……)


外星任務に出ている騎士たちの顔を思い浮かべる。


俺は軽く息を吐き、皆に声をかけた。


「レーゼ王女も、今よりは自由になるだろう」


「おぉ!」

ぱっと顔を輝かせる。


「わらわは、魔法戦競技デバイス・アーツをやりたいのじゃ!」


「それと……それと……!」


指を折りながら、やりたいことを数え始めるレーゼ。


「レーゼちゃん、良かったね」


「うん、アリス、エリザ、ありがとうなのじゃ」

嬉しそうに笑う。


「私は……結局、あまり役に立てませんでしたわね」

エリザが小さく呟く。


「そんなことないよ」

アリスがすぐに返す。


そして――


「私は……」

言いかけて、言葉を止める。


自分の胸に手を当てる。


そこにある“何か”を確かめるように。


(……星属性)


(ちゃんと掴んだみたいだな)


静かに、成長を実感する。


(レーゼも……これからだな)


その時――


ズキッ。


鋭い痛みが、頭を貫いた。


(……っ)


思考が、一瞬途切れる。


浮かんだのは――

レーゼ王女。


(原作アニメでも……この後……)


(……活躍……して……)


――思い出せない。


(……あれ?)


記憶が、掴めない。

霧のように、指の隙間から零れ落ちる。


――まるで。

最初から、そんなものは無かったかのように。


「………」


違和感だけが、残る。


「どうかしました?」

エリザの声。


「……いや、なんでもない」

即座に、取り繕う。


「あ……」


アリスが、何か言いかける。


だが――

俺はその場を離れ、見えない位置でこめかみを押さえた。


(なんだ……今のは……)


鋭い痛みは引いた。

だが、鈍い痛みが……。


そして、

“抜け落ちた感覚”だけが残る。


「……帰ろうか」


それだけ言うのが、精一杯だった。


――――

――


地球へ帰還後。

俺たちは、その場で別れた。


俺は部屋に戻り――

林間学校三日目は、そのまま休んだ。


――四日目、最終日。


「……やっと治ったか」


鈍い痛みは、もうない。

頭は、正常。


思考も、問題ない。


ただ――


「……」


“思い出せないことがある”。


それだけだ。


……それだけ、のはずだ。


(……別に構わない)


胸に手を当てる。

鼓動は、いつも通り。


そして――


「……変わってないな」


(……魔法少女に対する、この気持ち。)


(それだけは、何一つ揺らいでいない。)



――帰りのバス。


最後尾の席。

三人並び。


両隣――

アリスとエリザは、完全に眠っていた。


色々あった林間学校。


疲れて当然だ。


だから――


「……仕方ないな」


そっと、受け止める。


左右から乗る重み。


二人の頭が、肩に寄りかかる。


……動けない。


結果――

起こさないように、固まるしかなかった。

挿絵(By みてみん)



――魔法世界シルヴァリス・エリュシオン。


聖王教会・庭園。

白い椅子に腰掛け、優雅に紅茶を楽しむ少女。


「時空管理局からの報告です」

傍らの男が、書類を差し出す。


「ふふっ……」

楽しそうに目を通す。


「星双が、王城で暴れたそうですね」


「はい。Sランクを超える魔力反応も確認されたとのことです」


「……へぇ」

興味深そうに、微笑む。


「“星属性”は確定ですか?」


「はっ。レーゼ王女と同質の魔力が観測されています」


一瞬。

カップを持つ手が止まる。


「――そうですか」

そして、ゆっくりと笑った。


「是非……会ってみたいですね」


「聖女様……お戯れはほどほどに」


むっと頬を膨らませる。

「私はレーゼと違って、弁えています!」

挿絵(By みてみん)


――その笑みは。

どこか“別の意図”を含んでいた。

作者( ゜Д゜):聖女編…まだまだ先ですね。

オコジョ:おれっちの伏線も入れてくれ

作者( ゜Д゜):え?

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