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第38話_盤面は書き換えるものだろ

――絶望。


到着した瞬間、

――俺は、怒っていた。


誰に――

――自分自身にだ。


相手は、魔法世界エリュシオンの上位層。

十二守護騎士。


(アリスたちが原作より強いから?)


違う。


慢心したのは――俺だ。


(おまえは、何のためにいる)


(何のために、魔法を――力を求めた)


「……」


静かに、魔力を解放する。


『最終解放――

【天輪・円環世界クロノ・オルビス】』


“時”を扱う魔法は、膨大な魔力を喰う。


だが――


天輪円環。

永久循環パーペチュアル・ループ


放った魔力を回収し、増幅する。


事実上の「無限機関」。


――だからこそ、成立する。


“天輪”と呼ばれる魔導。


思考も、時間も、現象すら加速させる。

多重加速マルチ・アクセル


そして――その先。


円環世界の内側でのみ成立する、禁じ手。


――時間回帰。


対象は、自分自身。


「――廻れ、天輪」


カチリ。

世界の歯車が――噛み合う。


――巻き戻す。

――やり直す。

――――――



――ベルガ視点


「……仕方ありませんね」


私は、腰の剣に手をかけた。


未熟な少女たち。

だが――確実に届く。


いずれ、我々に。


そう確信できるほどの資質。


だからこそ――


抜き放つ。


黒い刀身。


「魔導デバイス――シュヴァルツフォーゲル」


空気が、歪む。


「恨まないでください」


せめて、一撃で終わらせる。


「奥義――影踏みの鴉(シャッテン・ラーベ)


黒が広がる。


影が伸びる。


地を這い、空間を侵食する。


死角。

背後。

横。


――斬る。


振り下ろす、その瞬間――


「……っ!?」


視界が、歪んだ。


「……なんだと……」


後方の二人も、息を呑む。


――いるはずのない位置に。


突如として現れた。

挿絵(By みてみん)


黒の魔導士。


「ベルガ、例の奴だ!」

ガイが叫ぶ。


「――資料にあったイレギュラー。

天輪テンリンだ」


カチリ。

――歯車の音が響く。


その男は、静かに言った。


「すまないな」


一歩、前に出る。


「だが――盤面は、書き換えるものだろ」


「……!!?」


思わず距離を取る。


得体が知れない。


三対三。


数は同じ。


だが――


(測れない)


こちらは魔力制限下。


対して――

(報告通りなら、単独で、時空航行戦艦を止めた男)


「不味いですね……

 ガイさん、リンさん」


「……全力なら、いけますかね」

リンが呟く。


「ハハハ、どうだろうな」

ガイは笑う。


――膠着。


その時。

三人の視線が、同時に揺れた。


「……?」


「紙……?」


空中に舞っている。


魔導書の――断片。



――祐司視点


(……これは…)

思わず、口元が緩む。


(原作にはない演出だが……)


(激しい戦闘で気づいたのだな)


これは“攻撃”ではない。


戦場を書き換える力。


魔法少女カエデの『断章フラグメント


カエデは、戦術制御魔導師。

直接戦うタイプではない。


だが――

“戦場そのもの”を操作する。


「……引きますよ」

ベルガが判断する。


「王女様。お早い帰還を、お待ちしております」

苦言を残し、三人は退いた。


「……ふぅ」

息を吐く。


背後では――

アリスとエリザが、その場に崩れ落ちていた。


(……楓の反応は、もうないか)


原作とは、違う流れ。


本来なら――

王女は連れ戻されていた。


そして、物語はエリュシオンへ進む。


だが――

「……俺が何とかするか」



――魔法少女カエデ、サイド


挿絵(By みてみん)


「主……助ける必要はなかったのでは」

影の一人が言う。


「……同じ、だから」

楓は小さく呟く。


「楓は、同じ魔法少女を助けたかったんだよな

 優しいな」


「おい、主と呼べ」


「楓がいいと言ってるだろ?」


「そういう問題ではない」


「……二人とも…仲良く……」

楓は、微かに笑った。


騒がしいが――

その空気が、嫌いではなかった。

オコジョ:これが優遇キャラとの違い…くっ…

作者( ゜Д゜):え?ヒロイン優遇は当たり前です!オコジョとは違うのだよ

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