表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/47

第36話_追手の勝手はじゃましない

――目が覚めた。


「……時間は、昼過ぎか……」

わずかに寝過ごしたらしい。

だが――


「まあ……問題はない……」

自分に言い聞かせるように呟き、ゆっくりと起き上がる。


意識を研ぎ澄まし――

魔力視、解放。


視界が拡張される。


(……いたな)

アリスたちの位置を捉える。


「追いかけっこが始まってるな……」


原作通りの展開。

王女を巡る逃走劇。


視界を切り替え、今度は追う側へ。


「元・十二守護騎士……現・魔導王国筆頭執事――ベルガ」

冷徹な判断力を持つ男。


「十二守護騎士、長銃型魔装――ガイ」

豪胆な狙撃手。


「十二守護騎士、刀剣型魔装――リン」

冷静な剣士。


(想定通り……三人)


その時。

ベルガと――


「……っ」


目が、合った。

咄嗟に魔力視を遮断する。


(魔法越しだが……)

(俺の隠密を見抜き、確実に“認識”したな)


わずかに息を吐く。


(さすがだな……)


原作通りの実力。

だが――


「……まずは、オコジョか」

状況確認は必要だ。


「……行くか」



――アリス視点。


森の中を駆ける三人。


「……レーゼちゃんが逃げるから、一緒に逃げちゃったけど……これって不味いよね」

息を整えながら、アリスが言う。


「……どう見ても追ってきているのは騎士ですわ。見た目からして間違いありませんわ」

エリザは即座に断言する。


その時。

「わらわは……戻りたくないのじゃ」


レーゼ王女が、足を止めかける。


「――あそこは窮屈なのじゃ。アリス、エリザ……お願いなのじゃ。一日でいいのじゃ……」


その声は、先ほどまでの無邪気さとは違っていた。


「――助けてくれなのじゃ」


小さな手が、ぎゅっと握られる。


一瞬の静寂。

そして――


「――レーゼちゃんとは、もう友達だよ」


アリスは迷わなかった。


「友達の頼みは、聞いてあげなきゃね。ね、エリザちゃん」


「そうですわ!」

エリザの目が輝く。


「お友達ですもの」

即答だった。


「――じゃあ、本気で逃げるよ。エリザちゃん!」


((セットアップ))


二人のデバイスが光を放つ。

――魔法少女、変身。

挿絵(By みてみん)


光が弾ける。


「レーゼちゃん、掴まって」


「おぉ、アリス……さすがなのじゃ!」

王女の声に、わずかな安心が混じる。


――事態は、動き出した。



――騎士側。


「王女は確認できましたが……攻撃するわけにもいきませんね」

リンが小さく息を吐く。


「ハハハ、急に逃げ出したからな。声を掛ける暇もなかったな」

ガイが肩を鳴らす。


「――王女は単独ではないようですね。二名……しかも魔力持ち」

ベルガが静かに分析する。


「現地の魔導士……問題にならなければよいのですが」

リンの懸念。


「――我々は他国では魔力制限を受けています」

ベルガの声が低くなる。


「お二人とも、Aランクまでしか解放できません」


「ベルガよ、あの二人はどう見る?」

ガイが問う。


一瞬の思考。


「……Aランクに近い

あの年齢であれば、末恐ろしいですね。」

淡々とした結論。


ガイが笑う。

「そうか。確認だ――王女以外は撃ってもいいか?」


「…………」


その時、

ベルガが、わずかに視線を上げる。


空間の一点。


「……?」


「どうした」


(――この気配)


(高度な隠密魔法……)


(……覗かれている)


確信。


「……お二人とも、状況が変わる可能性があります」

声が一段低くなる。


「必要とあらば――攻撃を許可します」

冷徹な判断。


――空気が変わる。

追跡は、遊びではなくなった。



――森の奥。


「……おい、起きろ」


「……休暇には、美女オコジョを……ムニャムニャ……」


「起きろ、オコジョ」


ぐにゃり、と握る。

挿絵(By みてみん)


「――ぐぇっ!? ……はっ、祐司!?」

飛び起きるオコジョ。


周囲を見渡し、そして思い出す。


「……っ」


通信デバイスを確認。


(本国からの指令……)


(エリュシオン王国の筆頭執事、及び守護騎士二名――計三名が転送ゲートを無断使用)


(行き先は……地球)


「……理由を至急確認せよ、か……」


項垂れる。


「なんで俺なんだ……」


「起きて早々悪いが」


祐司が口を開く。

「状況は分かっている。

 管理局への連絡や、隠蔽工作を頼む」


「騎士が来てるからな、暴れた場合に被害がでかい。」


「……えぇ……!」

オコジョは慌てて動き出す。

訳が分からなかったが、大変な事が起きている事は理解した。


「後、緊急用の転送ゲートあるよな?」


「あるが…本当に緊急用の携帯ゲートだぞ」

確認の意味は分からなかったが、現地で活動する局員は持っている。


俺の方は

――準備は整った。


(ベルガは冷徹に判断する男だ)


原作では、実力差もあり――見逃された。

だが、現実では分からない。


「……テトラ」

静かに呼ぶ。


「力を解放するぞ」


「《Incorrigible, Master.》」


低い機械音声。

魔力が巡る。


「……」

何もなければ、介入しない。


それでも――

(前世からの想いだけは……変わらない)


その一線だけは、譲らない。


――物語は、加速する。

作者( ゜Д゜):魔力ランクは、純粋な魔力量の指標ですね。

オコジョ:俺様は技量タイプだから、魔力はBランクだな。

作者( ゜Д゜):え?設定ではCランクと……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ