第29話_魔法幼女の応援は止められないⅡ
――夏のある日。
俺は自宅のベッドに寝転びながら、魔力視を展開していた。
「……!」
クワッ、と目を見開く。
そして――
重大な事実に気づいた。
「今日は……あのイベントが発生する日か!!!」
勢いよく体を起こす。
「絶対に見逃せない……!」
それは――
円盤(Blu-ray / DVD)の特典として収録される
オリジナルエピソード(OVA)。
具体的な時間軸は不明だったが……
「……今日だったのか!」
「魔法幼女Ⅱ……!」
原作アニメ第二期にて、
全国の大人のお兄さん達を虜にした伝説の存在――
魔法幼女。
その続編が、まさかのOVAとして収録されていたのだ。
――とある通り道。
「……ここに、魔力反応が……」
アリスは周囲を警戒しながら歩く。
「…!!?この感じ…前にも…」
空間が淡く揺らぐ。
(フィールド内の人物を――幼児化させる)
(肉体と魔力が制限される)
(つまり…)
(幼児化フィールド!!)
「……またっ!!」
ぬるり、と。
スライム型魔法生物がアリスを囲む。
「……クリスタルハート!
セットアップ!」
《I believe, master》
《Trust me, my master》
(来た……!)
(信じさせてくれクリスタルハート!)
心の中で叫ぶ
光が弾ける。
――現れたのは。
「魔法幼女アリス!
見参!!」
(幼女!!アリス!! 幼女!!)
(前とは違うところを見せるんだ!)
「負けない…」
魔法幼女アリスが呟く。
このOVA版には、
オリジナルエピソードだけじゃない…。
魔法幼女アリスが歌うキャラクターソングが収録されている!
頭の中にポップなイントロが流れる。
(あたしの~名前は~魔法幼女ありす~♪)
(幼児化フィールドの中だけ会えるの~♪)
スライムへ立ち向かうアリス。
「っこの…」
(スライムさんには負けないよ~♪)
(魔法は苦手だぁ~けど♪)
(物理でなぐるから~いいもん~♪)
「えいっ」
小さい杖で殴る魔法幼女アリス。
(練習中の魔法も~♪)
(あせって失敗しちゃうかも~♪)
その時――
「……ちょっと待ちなさい!」
通りの奥から、小さな声が響いた。
(幼女エリザ来たぁぁぁぁ!!)
(OVA豪華すぎるだろ!!)
アリスが振り向く。
「……エリザちゃん?」
そこに立っていたのは――
魔法幼女エリザだった。
ふわりと揺れる金髪。
小さな体。
だが、腕を組んだ立ち姿は
完全にいつものお嬢様。
「この魔法生物……」
「わたくしの獲物ですわ」
アリスが目を丸くする。
「エリザちゃんも…幼児化?」
エリザはため息をつく。
「ええ、どうやらそのようですわね」
小さな銃型デバイスを構える。
「サイズは小さくなりましたけれど……」
カチャ。
「当たれば問題ありませんわ」
ドンッ!!
小さな銃から、
やたら本気の雷弾が発射された。
ドォォォン!!
スライムの群れがまとめて吹き飛ぶ。
「……」
通りが静まり返る。
アリスがぽかんとする。
「エリザちゃん……」
「その威力……」
エリザは得意げに胸を張る。
「火力は落としておりませんわ」
「サイズだけですわ」
アリスがぐっと杖を握る。
「……負けない」
「え?」
アリスが宣言する。
「魔法幼女としても!」
「私、負けない!」
エリザが微笑む。
「望むところですわ」
小さな二人が並び立つ。
「行きますわよ、アリス」
「うん!」
そして――
小さな魔法少女二人は
スライムの群れへ突撃した。
(最後は~必ず決めポーズ~♪)
――30分後…
激闘を制したのは
魔法幼女アリス。
WINNER……
なんとなく誇らしげに見えるよ……
「良かった…感動で涙が……」
俺はベッドの上で呟く。
「今日はいい夢が見れそうだ…」
作者( ゜Д゜):幼女!幼女!幼女!
オコジョ:幼女!幼女!幼女!




