第27話_変わらない想い
夏休み――。
俺は自室のベッドに腰掛け、これまでの出来事を振り返っていた。
「……原作アニメ二期のストーリー、ここまでは完結か」
言葉にして整理すると、原作との違いがはっきり見えてくる。
「アリスとエリザ……原作より、かなり強くなってるよな」
元々、成長は早い傾向にあった。
そこに俺の固有魔法で、一時的に成長を進めた影響もある。
結果――
「原作より二段飛ばしくらいの強さだろ、これ……」
思わず苦笑する。
「この先、どんな影響が出てくるかだな……」
そして、もう一つの問題。
時空管理局。
オコジョには一応“お話”をしている。
だが、あの戦闘の記録は確実に上層部へ報告されているはずだ。
「当然……“聖王教会”にも伝わるだろうな」
俺の脳裏に、原作キャラの姿が浮かぶ。
聖王教会の庭園。
白い椅子に腰掛け、静かに微笑む金髪の少女。
「聖王教会……“聖女”の位を拝命されている、“時の番人”」
そして――
翠の瞳。
俺と同じ、時間系統の魔法資質を示す証。
「翠瞳……か」
未来視の力を持つ少女。
原作でも、あらゆる未来を観測する存在として描かれていた。
「未来視持ちに目を付けられるとか……怖っ」
俺は思わず肩を震わせた。
「それと、敵の強さ……」
世界の魔力濃度。
それもまた、原作とは明らかに違っている。
原因はおそらく――
俺の魔力にもある。
魔法を使うたびに世界に漏れた魔力で、
世界全体の魔力濃度を底上げしている。
「魔法生物も、原作より明らかに強いよな……」
もっとも。
アリスとエリザも強くなっているため、
結果として大きな問題にはなっていない。
「ストーリー進行への影響は……まだ少ないか」
だが。
一つだけ、確実に早まる可能性がある。
「世界の魔力濃度が上がるってことは……」
俺は小さく呟いた。
「地球が“管理外世界”じゃなくなる可能性が高い」
つまり――
「魔法世界エリュシオンとの接近が早まる」
原作では、アニメ三期後半。
だが、この世界では――
もっと早いかもしれない。
「そうなると……」
背筋に冷たい汗が流れる。
「時空航行戦艦の艦長……」
原作でも屈指の行動力を持つ人物だ。
この世界の異変を察知すれば――
「ここまで乗り込んでくる可能性、普通にあるよな……」
俺は天井を見上げ、ため息をつく。
「やっぱり……」
結論は一つだった。
「もう一度、オコジョとしっかり“お話”しておくか」
あいつの性格を考えると、
どうせ面倒そうな顔をしながら現れるに違いない。
……うん。
そのときは、握り潰しながら話をすることにしよう。
俺はそう密かに決意し、小さく苦笑した。
――――――――――
前世からの想い。
魔法少女アリスへの想い。
それは、一度死んでも消えなかった。
十歳のとき。
富士の樹海で、魔力に誓ったあの願い。
俺は胸に手を当てる。
世界がどうなろうと――
この想いだけは、変わらない。
作者( ゜Д゜):『魔法少女が好きだ!』
オコジョ:急にどうした?
作者( ゜Д゜):主人公が言いたかったことを要約しますた。




