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第4戦闘部隊~コア~  作者: きと
第2章 ジパニック編
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第56話 試行

「ロ、ロボット・・・?」


 ニーナが困惑した表情でつぶやく。

 一瞬静寂が流れたものの、レオは我慢することが出来なかった。


「・・・ぷっ。ふふっ。あははははっ」


「ちょっと」


「すいません。まさか、ニーナがそんな冗談を言うとは思わなかったので」


 レオは謝りながらも、いまだ口元はカーブを描いている。


「冗談じゃない」


「っと。失礼しました」


 ニーナの冷たい瞳に、レオの顔がいつもの調子を取り戻す。


「造られたと言っても、そういうことではなくてですね。バーサーカー計画、というのを知っていますか?」


「バーサーカー計画?」


「ええ。昔、この国の軍の一部で行われていた残酷な計画です。孤児を集めて、幼いころから戦闘ばかりを教え込む。つまり戦闘人間を造ろうというわけです。余計な感情がなければ、いざという時、躊躇しなくてすみますからね」


「そんなの、王様が許すわけ・・・」


 レオはいつの時代かを正確には言わなかったが、その時の国王が誰にせよ、秩序と平和を愛する王族がその計画を許すわけがない。


「だから、一部だと言ったでしょう?」


 その言葉は、王族の関与しないところで、秘密裏に行われていたことを指していた。


「その計画に副隊長が?」


「今日はよく喋りますね、ニーナ。その通りです。私の心には、感情がないんですよ。いざという時、仲間が相手でも非情になれるようにね」


 レオは笑顔で剣の先を仲間であるニーナに向けた。ニーナは微動だにせずに、レオを顔を見つめ返す。


「副隊長に私は殺せないよ」


「そんなに自分の腕に自信がありますか?」


 レオはニーナの腰に下げた銃をうかがう。ニーナに戦う意思は見られない。


「違う。仲間だから」


「私の話を聞いてました?」


「聞いてた。だから、知ってる」


「どういう・・・」


「コアで過ごした時間は、造られたものじゃない」


 レオの眉が少しだけ上がる。


「あなたが、戦闘に必要なものだけを向けられて育ってきたとしても、コアに入ってから向けられたものは、それとは正反対のものだと思う。その中で、あなたの中に感情が育たないと思わない」


「ニーナ・・・」


 レオがつぶやいたと同時に、部屋の扉が開いた。


「おーい、レオいるか? って、お前、また!」


 部屋に入ってきたセッカは、レオがニーナに剣を向けている状況を見て目を見開く。


「ふっ。くくっ。あはははっ! 良いタイミングで入ってきますね、セッカさん。ニーナ、あなたの勝ちです」


 レオは大笑いをしながら、剣を下げた。それを見たセッカはため息を吐く。


「別に、勝ち負けの話じゃない」


「ったく、何してんだよ。仲間同士で」


 セッカが二人のもとに来て、レオを小突いた。


「お前、試すようなことはやめろって言ってるだろ」


「どういうこと」


 ニーナの責めるような視線が、レオに突き刺さる。レオはいつもの柔和な笑顔で応えた。


「少しだけ、昔話をしましょうか」


更新が大変遅くなってしまい、まことに申し訳ありません!

それでも、読みに来てくださった方、ありがとうございます!

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