第55話 ニーナの問いかけ
「どうしました? ニーナ」
2人きりの部屋に、レオの声が優しく響いた。
アスカが出て行ってから、コアの部屋に出入りする者は誰もいない。ニーナもレオも好きなことをして過ごしていたが、ニーナはレオの方をちらちら見ていた。
レオに感づかれたニーナは、顔を強張らせる。
「別に、怒ってるわけじゃありませんよ。大方、私がコアに入った理由のことでしょう?」
「なんで、分かって」
ニーナは、茫然とした顔でレオを見つめる。
「一応、黒き知将と呼ばれてますからね」
レオは、いつもの優しいほほえみで返した。
それは、逆にニーナの警戒心を刺激する。
「なら、教えて。隊長が言ってたことが本当なら、何であなたみたいな人がコアに」
隊長が言っていたこと。周りの者に、恐がられ、敬遠されている者。
ルドルフは、幼いながらに突飛出た能力。ゼクスは、笑いながら敵を倒す異常さ。ニーナは、人の心を読んでしまうことから自ら人を遠ざけた。
なら、レオはなぜ。
「直接聞かずに、読めばいいのに」
ニーナは、無言で首を振る。
「副隊長の心の声、聞こえない」
ニーナの呟きに、レオは笑みを深めた。
「そういう訓練を受けていますからね」
「どういうこと?」
ニーナは、警戒心よりも好奇心が強くなるのを抑えられなかった。
今まで、知らなかったということは、隠されてきたということに近い。それは、知ってはいけないことなのかもしれない。でも、同じ部隊にいる以上、チームにいる以上、知りたい。
「私は、戦いのために造られた人間なんですよ」
レオの言葉に、ニーナの疑問は深まるばかりだった。




