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第4戦闘部隊~コア~  作者: きと
第2章 ジパニック編
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第53話 ユマの想い

 タイヨウの黒い瞳がヒバリの灰色の瞳と合う。


「ユマはアスカもヒバリのことも愛していた。だから、多くの時間を共に過ごしていたんだ」


「その時に、何かあったのですか?」


 ヒバリはタイヨウから目を離さない。


「ヒバリとアスカが同い年ということもあり、優秀なヒバリを後継者とするべきだという声もあった。だけど、俺は血筋を重視して、アスカを後継者に選んだ。それで、一旦は落ち着いたんだが」


「俺の力を怖がる者が出てきたということですか?」


 タイヨウは、しかめた顔でうなずく。


「どういうこと?」


「正統後継者ではない俺が力を持ちすぎたら、アスカを脅かす存在になるかもしれないということだよ。そんなこと、あるわけないのに」


 全てを悟ったヒバリは、表情を歪ませた。




 ヒバリは、幼いころから優秀だった。イオリが剣術を教えた結果でもあるが、潜在能力もずば抜けていたのだ。2歳の頃にはすでに刀を自在に操っていた。


「ヒバリ。訓練が嫌ならやめてもいいのよ」


 ユマは、幼いころから2人に訓練をさせることには反対だった。

 特に、ヒバリは正統後継者ではない。ジパニックに縛られる必要はないのだ。


「俺の役目は、アスカを守ることです。そのためには、力が必要ですから」


「シャンリーに似て、頭のいい子ね。でもね、ヒバリ。あなた自身の人生も大切にしないとだめよ。自分を犠牲にすることは、必ずしも相手のためになるとは限らないの」


「どういうことです?」


 ヒバリの灰色の瞳が揺れる。


「まだ、早かったかしらね」


 ユマは、苦笑いを浮かべる。


「ふん。何が、ヒバリ様だ」


 部屋の中に、男性の声が響く。


「誰!」


 ユマはヒバリを腕の中に引き寄せる。


 2人の前に、灰色の戦闘服に身を包んだ男性が現れる。


「オレは、お前なんか認めない。アスカ様を脅かすくらいなら、ここで死んだ方がいい」


 男性は、腰に提げた刀を抜き、振りかぶる。


「ヒバリ!」


 ヒバリの上に、ユマが覆いかぶさった。


 ヒバリの目の前に、真っ赤な景色が広がる。


「ユマ様! ユマ様!」


「ヒバリ様! 大丈夫ですか? お前、何して」


 部屋の中に入ってきたイオリは、倒れているユマと血に塗れた刀を持つ男性を視界にとらえる。


「ちっ」


 男性は、イオリに刀を振りかぶる。しかし、イオリは簡単に男性を拘束した。


「イオリさん! ユマ様が。俺のせいで、ユマ様が」


「ヒバリ。泣かないで」


 ユマの震えた手がヒバリの顔を撫でる。


「ユマ様。ごめんなさい。俺が、弱いから。ごめんなさい」


「いいのよ。あなたが無事で良かった。ヒバリ。アスカをよろしくね。幸せになるのよ」


 ヒバリの顔から、ユマの手が崩れ落ちた。

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